双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

2005-01-01から1年間の記事一覧

早朝の人間模様にカオスの渦

|市| さて。毎月恒例、お楽しみ骨董市。 今月の参加は私とT君の二名のみ。いつもよか一時間 遅めの出発と相成る。到着してまずは、二個で八十円の コロッケを食べ食べ、のらりくらりと一廻り。 馴染みの古着物屋にて、羽織とお召を買い求める。 おばさん、案…

銀座で逢いましょう

|散策| 月曜。久々に東京へと赴く。 別便のAちゃんとは、夕刻六時 銀座は和光前にて待ち合わせ。 渋谷 着いてすぐ、まだ人も少ない内に某大型外資系レコード店二軒で、足早に目当てのCDを購入の後、路地裏の喫茶店にて、最初の珈琲。おさぼりか否か、サラリ…

昨日 今日 明日

|縷々| |音| 日々感じる事の、風化させる無かれ。 想いを引き摺るのでは無い。 忘却と保存の、その狭間に 絶妙の均衡を保ってゆく。 鈍足のよで居ながら、ふと 振り返ると、恐ろしく足早に 駆け抜けていたのか、一年。 それとも、はて。その逆か・・・。 何れに…

ここでなければどこへでも

|雑記| |音| 頬に触れ、首元を通りすぎる空気が ひんやり、冷たさを帯びてくる頃になると、 私の手は、無意識に上着のポッケを探す。 この癖に気付いたのは、人より指摘されて の事では無く、いつだったか 改めて、道ゆく人々の歩く姿に 目を向けた折、ポッ…

迷走階段誰かが登る

|日々| |音| 暦がじき、変わろうとして居る夜。 表では、突風が騒ぎ出す。 気配を感じて居るのだろか。 師走の気忙しさは、もう間も無くして 訪れることだろう。けれども 一年を振り返るには、まだ気が早い。 何を想い煩うでもないけれど、 この、云う術無き…

愉快かなガラクタ漁りの日曜日

|市| 毎月恒例の、骨董市詣で。今朝はうっかりと寝過ごし、 いつもよか三十分程遅れての、到着。と或る気の良い 店主より、先月頼んでおいたインク壷を受け取ると、 いつも覗く店々に顔を出しつつ、物色開始。 ここ数ヶ月と云うもの、紙モノにすっかりどっぷ…

日の暮れて僅かばかりの感傷は訪れ

|雑記| |本| 何が足りないだとか、 何が必要だとか、 そう云う訳では、無いのだけれど、 常に心に感じる、小さな空洞。 これを、埋める必要は 果たして、あるのだろか。 それとも、そのよな必要など 無いのだろか・・・。 ふん。季節のもたらす 一時の感傷か。 …

空がおちてくる

|縷々| |音| 時間を持て余すよな日は、 いつも同じ事ばかりが、遣る瀬無く 心の枯野を、駆け巡る。 時たま訪れるのは、分かち合えぬ人々と 私の提供するものとの間、哀しいかな 永久に横たわる、平行線の温度差。 私とて、馬鹿では無い。 はなから、分かって…

さすらへどさすらへど

|日々| |音| 窓から見える山の木の、所々が ほんのりと色づいてきて居る。 皆の眠りに就いて居る間、 葉脈の中の糖分が、人知れず 変化を及ぼして居る様子など、 ふと、思い浮べたりする。 午後の西日が差し込んで、店内を やわらかな色で、包む頃 ようやく…

行き先は知らない

|縷々| |音| 駆け抜ける季節の後は、追うまい。 ぽっかり空いた、つかの間の空白には 程無く、見慣れた顔した 別の季節がやって来る。 やぁ。一年間、何処かを ほっつき歩いていたのだね。 お互い、知らぬ仲じゃなし。 行儀の良い挨拶など、交わさずとも 気…

十七歳、まだ分別にやや欠ける。

|雑記| 秋の感傷が時たま発する、不協和音。 遠い耳鳴りのよな、茫然の後 柱時計の刻む、時の針が進むにつれ、 それはやがて、一つの同じ音に重なる。 昨晩、と或る麗人が、ランボーの『永遠』を 朗読して居られたので、今日になって すっかり色褪せた、岩波…

Finding Nighthawks

|旅| |回想| 人っ気の無い、夜の店内で一人 珈琲を淹れて飲む。 外に車の往来は、殆ど無く、 そうか。もう、月末なのだっけ と、独りごちる…。 と或る街。終夜営業のコーヒーハウス。 夜遊びに惚け疲れた若者たちや、 仕事帰りと思しき看護婦、書きものに 没…

趣味の奈落は底が無く

|市| 今月もまた、件の骨董市へと馳せ参じて参りました。 起床前に凄まじき雷雨となったものの、出立の時刻には 塵を払ったかのよな清々しい秋晴れに。面子は先月同様。 到着するや、早速おやきなど食べ食べ出店を物色。 馴染みの業者に混じって、新顔の店も…

水底へ櫂は沈む

|縷々| |音| 季節の感触を、己が手で確かめながら 徒然、日々を送る。 日によって微妙に変化する その感触は、私の心が鈍らぬよに 私を、試して居るかのかも知れない。 などと、思いを巡らせながら 朝起きて、ペエジをめくり 夜、消灯と共に、そのペエジを閉…

秋と冬の間をさまよう草臥れた革靴

|旅| |回想| ここ数日で、随分と秋らしい肌触りに なってきたのと同時に、鉛色の寒空の季節が 次第に、近づいて来て居ることを知る。 首もとに巻くマフラーは、深緑と白の 縞模様のが良いな。ツイードのキャスケット。 タートルネックのセーターの上に、 茶…

気後れの午後は去らない

|日々| |音| 枯葉の舞う、からからと。夕刻 椅子に腰掛けて、ぼんやりして居ると、 室内に夕日が差し込んで、 橙の淡い色は、陰影をつくりだす。 ほんの数分の間だったけれど、 夢でも見たかしら、と気後れする。 後に残ったのは、ただの土曜日。 [本日の店…

うしろすがたのしぐれてゆくか

|雑記| |音| 月末故の暇日和。薄曇の空は 随分遠く、秋の色をして居る。 郵便局へと、用足しにゆく道すがら、 小学校の音楽室より、リコーダの演奏が 聞こえてきたのだけれども、どうやら 誰かさんが一人、音を外して居る模様。 ダブルガーゼとは云えど、や…

机の上で鉛筆かりかり

|日々| ゆっくり起きて窓を開けると、もう 外の空気が、秋になって居ると知る。 掃除を済ませて、鼻歌など歌いながら 押入れの中の、ひざ掛けを取り出す。 大きいのが二枚、中くらいのと 小さいのが、各一枚ずつ。 分厚い靴下を履く。カーディガンを羽織る。…

糸杉のある一本道はどこへ続くのだろう

|縷々| |音| Live at Sin-Eアーティスト: Jeff Buckley出版社/メーカー: Sony発売日: 1993/11/23メディア: CDこの商品を含むブログ (6件) を見る 脈絡の無い言葉が、次々と浮かんでは消えてゆくのは、 何処かしら、手応えの無い白昼夢に似ている・・・。 リ…

吟遊詩人はポケットの中にマッチを隠す

|旅| |回想| |音| テキサス州オースティンから、ルイジアナ州 ニューオリンズへと向かう、夜行バスに乗ると いつも、ヒューストンで乗り換えになった。 長旅の時間の殆どは、大抵が 移動中の睡眠に取って代わるけれど、 それでも、車窓の景色が後方へと、流…

今頃は 終わりの季節

|日々| |音| 残暑。夏の悪あがきか、否か。 もさっとした、熱を帯びた手触り。 可も無く不可も無い、平坦な一日。 その中で、見知らぬ人の 無作法な悪意に触れねばならぬ 不本意な瞬間も、在るには在ったけれど、 一日の終わりが、近づくにつれ 心を煩わす価…

Fantastic something

|旅| |回想| 1997年の夏、だっただろか…。アメリカを旅して居た私は、或る土曜日、テネシー州はナッシュビルにて長距離バスを降りた。しかし、まことタイミングの悪いことに、何やらその週は、カントリー・ミュージックのコンベンションらしきを開催中と…

自らに頼む、それが超人だ!

|本| |電視| アストロ球団 (第1巻)作者: 遠崎史朗,中島徳博出版社/メーカー: 太田出版発売日: 1999/03メディア: コミック購入: 1人 クリック: 39回この商品を含むブログ (69件) を見る本日発売のTV Bros.の表紙、及び巻頭は『アストロ球団』! テレビ朝日の…

君の街はもうすぐなんです

|雑記| 昨日でこの「大人乙女雑記帖」も、丸と一年。 当初は正直、一年も続くとは 全く思って居りませんでした。 細々ながら、三十路の大人乙女が綴る この乱雑な雑記を、懐深い皆様が こうして読んで居て下さることが、 何よりの励みで御座います。 謹んで…

針のない時計

|日々| うちの猫村さん、もとい アーロン氏は、オムライスはおろか、 右のものも左にすら、動かせません。 毎日風の来る場所を探して、この部屋の中、 あちらこちらと移動。一日の大半を 早い話が、寝て過ごして居る訳です。 まあ、当然です。猫ですからね。…

三日月と金星

|本| 爪先と踵の 僅かな接着面で 地上より遠く隔てられ 靴底とのあわいに 無限の宙を懐く靴 ゆるゆると近づく台風の上陸を 放心しながら待つ、今日の一日。 やがて、配達人は雨にぬれながら、 その包みを携えやって来る。 そう、今日は鳩山郁子氏の新刊 『シ…

雲に架かる色褪せたサイレン塔

|縷々| 些細なことを、丁寧に扱いたい。 ものを上手に選びたい。 選んだら、大切にしたい。 無駄な無駄と、無駄ではない無駄を、 自分で見分けたい。 縺れた糸の束を解いたら、 きれいにまた、束ねよう。 長かったり、絡まったりするのは、 鋏できちんと、揃…

ペパーミント・パティの憂うつ:後篇(2)

|回想| (前回よりのつづき) さて。我らが「文芸同好会」の顧問探し。実は、既に目星はついていた。国語教師のM子先生。36歳。独身。日頃から私たちのよな、ちと毛色の変わったおかしな乙女らに興味などを持ってくれる、非常に稀有の理解者であったので、…

ペパーミント・パティの憂うつ:後編(1)

|回想| (前回よりのつづき) ニ学年へと進級した私とOちゃんは、各々のクラスに分かれた。教室が旧校舎と新校舎だっため、互いの教室への行き来はそれ程無かったものの、同じ図書委員ではあったので顔を合わせる機会も多く、相変わらずのおかしな距離感を保…

ペパーミント・パティの憂うつ:前篇

|回想| 今しがた、押入れ深くの奥まったところで、 ビデオテープの入った段ボール箱を取り出そうと、 ガサゴソやっていたところ、丁度、箱の角が 旋毛の辺りを直撃。あまりのことに涙目になりつつ、 半分ヤケになって蓋を開けた。探して居たものは すぐに見…

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