双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

2010-11-01から1ヶ月間の記事一覧

砂漠にて

|音| 丸ヨークのセーターを編んで居る。 編み込みのヨーク部分に辿り着くまでは、 只、ひたすら。ストイックなメリヤスの 砂漠をゆく。一針ずつ。一段ずつ。 何処までも続く、紺一色の砂漠の、 無心の静けさよ。夜は永い。 There's Never Been a Crowdアーテ…

1996

|回想| |旅| 「Bって、寂しい奴なのよね。きっと」 彼女はそう云った。その夏に知り合った友人Bは、一つ歳上で、私に意地悪だった。十のうちの七くらいは。他の人(特に女性)には殆ど無差別にやさしかったが、私には素っ気無く、話し方はいつも意図的な謎か…

Voices

|音| 届いた音の便りは、冬の手触りがした。 膝を抱えて、あったかな毛布に包って。 独り。冬の穴倉で聴くよな、安らかさ。 I See the Signアーティスト: Sam Amidon出版社/メーカー: Bedroom Community発売日: 2010/04/13メディア: CD クリック: 6回この商…

晩秋に

|日々| 昼に拵えた、揚げだし豆腐のみぞれ煮。 柄の取れた雪平の中に、出汁を温める。 おろした大根を加え、火を止めたところへ、 柚子を刻んで是をさっと放てば、すうと 細く立ちのぼる、清々しいふくよかな香り。 台所に居て、こうして鍋を覗きながら、 ゆ…

センチメンタル歳時記

|雑記| 折角の秋だと云うので、地元の渓谷へ 出掛けてみることにした。シーズンのみ 運行の臨時バスに乗り込むが、是は勿論 他所からのお客さんに向けたものだから、 地元の人間が乗ることは、先ず無いらしい。 いざ着いてみれば、平日だと云うのに、 駐車場…

暗い空

|日々| ここ数日の急激な冷え込みに、堪らず 湯たんぽを解禁したものの、朝目覚めて、 布団から出るのが、如何に困難であるか。 カーテンを開ければ、雨降りの音。 どんよりと翳った雨空の下、重たい霧が 山肌を覆って、僅かの色すら滲まない。 昨日巣鴨で買…

近況

|日々| ■散髪で少しばかり整えて貰ったところ、何やら戦時中の子供みたいな塩梅である。朝、鏡を見ながら 「セツコ・・・」 と呟いてみる。 ■カーディガンだのベストだのセーターだのと、早い時期に大物を仕上げて、すっかり良い気になったのか。ここのとこ…

先生の偉かった一週間

|小僧先生| 母君が流感から回復して、未だ間も無し である故、小僧先生の幼稚園のお迎えを 仰せつかる。先生自身も、風邪っぴきで 体調を崩され、ほぼ一週間ぶりの通園。 ハンバーグが食べたいと仰るので、道中、 馴染みの店にて昼食をご一緒した後、 まわり…

the afternoon sun

|音| 日の傾いだ午後。薄い橙の、あたたかな窓辺。 Bryter Layterアーティスト: Nick Drake出版社/メーカー: Hannibal発売日: 1992/04/27メディア: CD クリック: 2回この商品を含むブログ (5件) を見る

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