双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

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一周忌

|定点観測| 爺さんことアーロンが逝った日から、 早いもので、丁度一年が経った。 一年前、小さな亡骸の旅立った空は、 今日、薄く曇って雨を降らせた。 一周忌を迎え、定点観測も是でお終い。 そんな日。 今年もTさん夫妻が訪ねて下さった。 素敵な手土産と、愉しい時間と。 色んなお話して過ごして、 宵の中へお二人を見送ったら、 何だかちょっぴり、寂しくなって。 今日は有難う。また会いましょう。 出会いって大切だな、としみじみ想う。

定点観測 十月

|定点観測| 湿った風の中に、雨の匂い。 午後になって、ざあと冷たく降り出した。 お前を送ってから、もう十一も月を数えるのだね。 なんて早いのだろ。 じきに一年が経ってしまうだなんて。

定点観測 九月

|定点観測| 彼岸の後は、さめざめと雨降り。 たまには、楚々とした白い菊も良いでしょう。 窓の隙間から、冷えた北風が入り込む。 季節よ。早く入れ替われ。

定点観測 八月

|定点観測| 薄く雲を引いた偽秋空の奥には、 如何にも夏の顔した、入道雲の塊が二つ。 何処も彼処もうんざりするよな残暑だのに、 暦だけが律儀に進んでゆく。

定点観測 七月

|定点観測| 先週から続いた肌寒い曇天と雨の気配が去って居た。 エキノプス。キャットミント。セージ。ラークスパー。 庭から青い花を切って来て、ジャムの空瓶へ生ける。

定点観測 六月

|定点観測| くものある日 くもは かなしい くものない日 そらは さびしい ― 八木重吉 「雲」―

定点観測 五月

|定点観測| 北から渡ってくる風の清々しいこと。 空はからりと澄んで青く、雲は実に真白い。 月命日、初めての快晴。 風薫る五月。

定点観測 四月

|定点観測| さめざめ小雨。 来月の今日は、穏やかな晴れだろか。 黄緑のポンポンと薄紫の小菊を供える。

定点観測 三月

|定点観測| 空は朝から雨の気配です。 臨む山並には白い靄が掛かって、 ようやくうっすらと、けぶるよに色付いた 春先のなだらかな山肌を覆って居ます。 通り向かいの寒緋桜が色の濃い蕾を膨らまし、 畑沿いの梅の木には、四分程の花が付きました。 君のよこした子猫は、図体ばかり大きくなって、 けれど如何にも子猫らしく、健やかです。 爺さん。未だ肌寒い、遅い春が来ました。

定点観測 二月

|定点観測| ほんの僅かの間、途切れた雨は、数分後。 再び、さめざめと、水曜を包囲した。 藤色した小菊の束を供え、初梅花の線香を焚く。

定点観測 一月

|定点観測| 玄関を出て、左足から三歩踏み出した場所。 毎日同じ場所から見る空は、けれど毎日違って居る。 一月二十三日の空。 そしてこんな日の風は、いつも北から吹いてくる。

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