|縷々| ついこないだ開いたばかりの木蓮が、生成り色から茶色く萎れて散り始め、 それと入れ替わるよに、今度は枝ばかりだった桜の蕾が見る間にふっくらとし、 目に入る景色の全体が、淡く淡く薄桃色に霞がかかったみたいだ。 嗚呼。三月が、ふうっと緩んで…
|縷々| 二月の末より三月に入ってからの暫く。 日々は遅々として、半分閉じかかった瞼に同じ 鈍重な歩みでもって、ちいとも進んだ心地がしない。 手の届くところで。手の届かぬところで。 失望だとか諍い事だとかが多々と在り、 それを知って悲しくなったり…
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