双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

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白じゃないのが欲しいのだ

|着物| |手仕事| 梅雨に入る前に、と押入れの奥のガラクタを整理して居たら、大昔に買い求めてあった未開封のダイロンの染め粉が出てきた。あー、確か何色か買ってTシャツ染めたんだったなぁ。もう四半世紀程も前のことである。コールドタイプので色はタータングリーン。ビニル袋が二重になって居たお陰であろう、容器自体に古びた様子は無く、見たところそのまま使えそうである。捨てるのも勿体ない気がするし、手近に何か染めるよなもの在ったかしらん…。そこで咄嗟に思い付いたのが、和装用の肌着(笑)。…

五十路の着物

|着物| |雑記| 着物を着始めたのは二十代も末の頃で、その頃に好んで着たのは (頂き物やお下がりの着物以外では) もっぱら骨董市で買い求めた銘仙やお召であった。途中着物を休んだ時期も在ったが、五十肩が治って以降のここ数年は、後ろ手での帯結びも復活し「週に二日は着物」と云うところへ落ち着いた。仕事に着るから当然普段着で、丈は短めに着て上から割烹着。履物も所謂”軽装草履”と云う普段履きである。時折「あら、お着物なんですね」と云う人が在ると、冗談めかして「”お”のつかない”着物”…

日々の着物の色合わせ

|着物| 昨晩の帰宅後。風呂を済ませて一段落してから、筒袖の半襦袢へ夏用の半衿付けなどして居た。半衿付けが面倒だと云う人は多いし、私も面倒だと思う一人ではあるのだが、いざやるとなれば気分がぱきっとなって、結局のところ、着物を着るためのこまごました下準備、支度のあれこれが好きなのである。ちくちくの針仕事。それが終わったら、衿裏のスナップボタンが取れかかったのを付け直し、半幅帯を一本ずつ点検して衣紋掛けに吊るす。夜更けの夏着物の準備も、また愉し。 着物:利休白茶、灰汁色、梅鼠 帯…

新しい腰紐

|着物| |手仕事| 自分で腰紐を作ってみたよ。 奥が腰紐 (幅3.5㎝・長さ210㎝) 。手前が胸紐 (幅5㎝と少々・長さ210㎝)。 着物の着付けは、断然「紐派」である。着始めた頃にはゴムベルトやら何やら、簡単便利を謳う今様の商品を使ったことも在ったが、伸縮性の在る方が着崩れにくいと思いきや、案外そうでも無いと気付き、以来ずっと紐を愛用して居る。 腰紐の代表的なものはモスリン紐で、是は安価な上、入手が容易なのも利点であるため、特に疑問を持たずに愛用してきた。ところが、少し…

続・四十路の着付け再考 

|着物| |モノ| さて。四十路も半ばを過ぎてから、ここ数年来の厄介な悩みの種であった「帯のお太鼓問題」がようやっと解決(◆参照)。晴れて着物再開と相成り、目下週に二日程は着物 (普段着) を着るなどして、長いブランクのリハビリ中である。 「いやぁ、お太鼓が楽々作れるわぁ。全く帯止め様々でありますなぁ」てな具合にすっかり浮かれて、も一つ忘れて居たのにはたと気付いたのが、帯枕を使わぬ「角出し結び」よ*1。 しかし、是も心配御無用。実は先だってのお太鼓問題調査の際に、こんな品を見…

四十路の着付け再考

|着物| |モノ| 以前より店に通って下さって居る、知り合いの娘さん。最近になって着物を着始めて、すっかりアンティーク着物贔屓になったと云うので、私にはもう合わなくなってしまった錦紗や銘仙など。箪笥の中から数枚、彼女に似合いそなものを見繕って差しあげたところ、大層喜んで、後日早速にその内の一枚を着て来店してくれた。私より一回り以上若い上、細身で顔立ちもかあいらしいから、大きな柄行の銘仙も良く似合って、習い始めたばかりだと謙遜して居たけれど、着付けも上手で本当に素敵。何よりも、…

潤いの帯

|モノ| |着物| 猫らの世話にかまけ、小屋づくりにかまけ。 日々の雑事に、仕事に追われ。 はたと気付けば、己が放ったらかしで、 何やら心に潤いが足りて居らぬなぁ...と そんな折、ふと目にした猫柄の帯へ一目惚れ。 ひと晩おいて熟考した後に是を買い求めた。 錆浅葱の綿麻生地に、仏頂面した大きな黒猫が 様々の格好で方々へ配された名古屋帯は、 どうやら洋裁用の生地から仕立てた品らしく、 生地自体が程好い厚みで芯地も薄いから、 軽くてやわらか。実に締め易いのが嬉しい。 それに何より…

散髪と着物

|着物| なかなか都合がつかずに機会を逃し続ける内、 前回の散髪から、早ふた月が過ぎようとして居た。 父方の祖父母の法事までには、しゃんとさっぱり 整えたかったのだけれども、結局間に合わず、 法事当日の午後二時でお願いすることと相成る。 丁度、食事会の店が美容室から近かったため、 その後で、黒い帯した着物のまま出向くと、 「あ。江戸小紋ですか?渋くて素敵ですね」 「黒い帯で恐縮です...」 「良いなぁ。さらっと着物で法事に出られるの」 否々。 とても”さらっと”どころでは無か…

勉強

|雑記| |着物| ここのところ何やら、方々より頻繁に着付けを頼まれる。頼まれると云ったって、お免状を取ったのでも、正式な教室へ通ったのでも無いから、まことに恐縮なのだが、こちらも良い勉強となるので、都合のつく限りは快く頼まれることとして居る。着付け。礼装や晴れ着など、高いお金を払って着付けをして貰って、それが生憎の補正と紐とで雁字搦めで、ぐったり疲れてしまった…と云う経験を過去に一度でもしたことの在る人は、以降、着物に懲りてしまうことが多いと度々耳にする。実に残念なことだが…

続・女の着物

|着物| |徒然| さて。昨日(→■)の続きである。 着物の醸す女の情緒*1は、昨今流行の過剰な露出至上主義とはまるで対極に在るもので、隠し重ねることでこそ生まれる、我が国ならではの美意識と云えまいか。 着物の所作の端々で仄かに覗く ”チラリズム” の効果については、幸田文も饒舌に述べて居る。それはときとして、首筋や踝と云ったところの肌そのものであったり、袖口から覗く襦袢の色であったり。また、夏の簾越しに見る、ものの美しさにも通じて居る。 すだれのかげにいると、誰でも実際より…

女の着物

|着物| |本| 幸田文 きもの帖作者:幸田 文発売日: 2009/04/07メディア: 単行本 ざらりの質感と厚みのある表紙は、着物を想わせるつくり。 背筋を正して手にすると、頁をめくる度、綴られた言葉のひとつひとつより、 凛と律した所作や着姿、衣擦れの音がはっきりと浮かんでくる。 しゃりとした佇まいが心地良い。 着物を語る言葉の数々は、ときに厳しく、ときにゆるやか。 また、潔さを伴えば、執念とも呼べる欲を含めたりする。 幸田文と云えば縞のお召だけれど、私の箪笥にもやはり、…

バス停のお手本

|着物| 先日、バス停で見掛けた年配の女性。 歳の頃七十代後半と云ったところの、 ちゃきっとした風情の小柄なお婆さん。 その、着物姿が何とも云えず良かった。 着込んで馴染んだ風合いの着物は、恐らく 結城紬だろか。鼠色がかった藤色の格子柄で、 襟元もゆるり、ざっくりと楽に着付けて居る。 これに芥子色の紬の帯を合わせたその様が、 普段着そのものと云った風で、実に良い具合。 そして何より私の目の行ったのは、短めに着付けた裾から 覗いた、草色にピンクの水玉模様の、足袋型ソックス! 是…

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