双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

2005-10-01から1ヶ月間の記事一覧

行き先は知らない

|縷々| |音| 駆け抜ける季節の後は、追うまい。 ぽっかり空いた、つかの間の空白には 程無く、見慣れた顔した 別の季節がやって来る。 やぁ。一年間、何処かを ほっつき歩いていたのだね。 お互い、知らぬ仲じゃなし。 行儀の良い挨拶など、交わさずとも 気…

十七歳、まだ分別にやや欠ける。

|雑記| 秋の感傷が時たま発する、不協和音。 遠い耳鳴りのよな、茫然の後 柱時計の刻む、時の針が進むにつれ、 それはやがて、一つの同じ音に重なる。 昨晩、と或る麗人が、ランボーの『永遠』を 朗読して居られたので、今日になって すっかり色褪せた、岩波…

Finding Nighthawks

|旅| |回想| 人っ気の無い、夜の店内で一人 珈琲を淹れて飲む。 外に車の往来は、殆ど無く、 そうか。もう、月末なのだっけ と、独りごちる…。 と或る街。終夜営業のコーヒーハウス。 夜遊びに惚け疲れた若者たちや、 仕事帰りと思しき看護婦、書きものに 没…

趣味の奈落は底が無く

|市| 今月もまた、件の骨董市へと馳せ参じて参りました。 起床前に凄まじき雷雨となったものの、出立の時刻には 塵を払ったかのよな清々しい秋晴れに。面子は先月同様。 到着するや、早速おやきなど食べ食べ出店を物色。 馴染みの業者に混じって、新顔の店も…

水底へ櫂は沈む

|縷々| |音| 季節の感触を、己が手で確かめながら 徒然、日々を送る。 日によって微妙に変化する その感触は、私の心が鈍らぬよに 私を、試して居るかのかも知れない。 などと、思いを巡らせながら 朝起きて、ペエジをめくり 夜、消灯と共に、そのペエジを閉…

秋と冬の間をさまよう草臥れた革靴

|旅| |回想| ここ数日で、随分と秋らしい肌触りに なってきたのと同時に、鉛色の寒空の季節が 次第に、近づいて来て居ることを知る。 首もとに巻くマフラーは、深緑と白の 縞模様のが良いな。ツイードのキャスケット。 タートルネックのセーターの上に、 茶…

気後れの午後は去らない

|日々| |音| 枯葉の舞う、からからと。夕刻 椅子に腰掛けて、ぼんやりして居ると、 室内に夕日が差し込んで、 橙の淡い色は、陰影をつくりだす。 ほんの数分の間だったけれど、 夢でも見たかしら、と気後れする。 後に残ったのは、ただの土曜日。 [本日の店…

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