双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

2007-11-01から1ヶ月間の記事一覧

留守にします

|日々| |音| 三日続きの休みの後は、丸一日がぽっかり空いて、 寒々しい曇り空は、秋と冬の間を行き来する。 午後三時をまわった頃。ドアに小さな張り紙貼って。 「四時半まで留守にします」 三人して、観光ピークの終わった秋の渓谷へ。 散策道手前の駐車場…

やわらかな金曜日

|日々| いつものよに窓を磨き、いつものよに床を掃き、 いつものよにサイフォンを準備し、 いつものよに店を開ける。いつもと同じ金曜日。 けれども、気持ちは少しだけそわとして、 背筋は少しだけしゃんとする。遠方より訪ねて下さった Tさんとご主人を、お…

寒空とポッケ

|日々| 「厳冬」と云う言葉は耳慣れしないが、どうりで寒い訳だ。 昨晩より、床の中に湯たんぽを使い始めた。ついでにと、 仕舞っておいた膝掛けも取り出すと、途端に部屋の中が 寒い季節の様相となる。冬支度が整うと、何故だか、 夜更かしがしたくなって困…

掌に残ったもの

|縷々| |本| 夕刻をもうすぐに控えた午後の西日が、角の丸くなった 全集の背表紙を包み込み、やわらかに歪んだ光が 全体に差し込むと、やがて陰りに追いつかれるまでの 僅かの間。刻はゆっくり光に溶け込んで、 段々に輪郭を曖昧にしながら、そこに在るもの…

私たちのフランチェスコも、丘を降りて行った。

|電視| |本| BS朝日にて、須賀敦子の 『イタリアへ』 が連続シリーズ となって放送されて居ることを知り、近頃新たにテレビを 購入した弟夫婦の家に、前もってお願いしておいた。 第1話のトリエステは、残念ながら逃したのだけれど、 第2話のアッシジは、H…

モンペ娘とべっぴんさん

|モノ| 先日の鎌倉散策の折に買い求めた、湯呑茶碗で白湯を飲む。 寒さが日に日に厳しくなって、体を冷やすまいと、 連日のよにガブガブ、お茶を飲みすぎたせいだろか。 胃液が薄まったのか、どうも胃の具合が芳しく無く、 なるたけ負担の少ない白湯ならば、…

鎌倉健脚探訪記

|散策| 飲食店組合の日帰り旅行、今年は鎌倉。普段は滅多に参加せぬよな顔ぶれも、ちらほら見受けられるのは、やはり企画が良かったからだろか。何しろ、清々した秋晴れに加え、前日の雨のおかげで、塵の掃われた空気はきりりと澄み、珍しく常磐道からも首都…

去る雨 残る雨

|日々| |本| 今日も今日とて雨が降り。 客席の配置替えしたのを、一夜明けてからしみじみ、 明るい中で改めて見てみると、何故だろか。 昨晩見たときよりもずっと、しっくりくる。 相変わらず雨は冷たく、降ると止むとを気まぐれに 繰り返しながら、時折お客…

日常の延長線上のささやかな非日常

|雑記| |本| 秋の日差し、やわらかな昼下がり。ふと、子供じみた愉しみを思い付く。 良く良く見知った、隣街に出掛けてぶらついて、日も暮れてきたら、宿をとって一泊、と云うのはどうか。地元でも、それなりにおもしろいかも知れないが、あんまり身近過ぎる…

鳥とほくとほく雲に入るゆくへ見おくる

|縷々| |音| つんと刺すよな冷たい空気が降りてきて、知らず知らず 肩をすくめては、両の腕をさすってしまう、帳の頃。 群青色した空に、真っ黒な山の輪郭がくっきり浮かぶ。 寒い寒いと無意識に呟きながら、濃い目の珈琲を淹れ、 落花生を器に一掴み。殻を…

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