双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

2008-08-01から1ヶ月間の記事一覧

言葉の舟を漕ぐ

|縷々| 何処かの街の広場に沿った回廊。ぐるりの柱に もたれるのは、鳶色の髪の少女だろか。少年だろか。 私の視線は、俯瞰となって注がれて居り、 ああ、これは夢なのだな。と知る。 未だここは、夢と現の境目に近い。 枕に埋めた頬の上側に、ふわりとした…

|映画| ソクーロフ 『ファザー、サン』 観る。 うすぼんやりとあたたかい蜂蜜色の鈍い光は、 人知れず静かに 「発酵」 しながら、瞼を通して とくとくと、体内に流れ込んで来る。 ゆっくり。静かに。穏やかに。そして深い。 時代も場所も背景も、曖昧なまま…

食をめぐる冒険

|本| サウンド・バイツ―フランツ・フェルディナンドの世界グルメツアー作者:アレックス カプラノス発売日: 2008/05/01メディア: 単行本 訪れたその土地で、その土地の普段の料理を、その土地の市井の人々に混じって食す。至極当たり前のことのよで、実は案外…

どっどど どどうど どどうど どどう

|日々| ごうごうと。窓枠の僅かな隙間から風の音だけが 忍び込み、荒々しい、唸るよな音に、夜は大きく 揺さぶられる。今日の夕刻。外へ出ると 気配は不意にやって来て、「あ。」 温度の変わった瞬間を、確かに感じた。 薄く伸びた雲が、早回しのよにして、…

オランダ坂に重たい穴があきます

|猫随想| 長時間の冷房にさらされ続けて、鈍いだるさに纏わり つかれた体を、湯船に湯を張ったところへ落ち着ける。 ついシャワーの手軽さを選びそうになるが、やはり 一日の終いには、きちり風呂に浸かるよにしないと、 疲れが抜けぬばかりか、どうも調子が…

In the mood for love

|映画| 花様年華 [DVD]出版社/メーカー: 松竹発売日: 2004/11/25メディア: DVD クリック: 40回この商品を含むブログ (63件) を見る王 家衛の映画では 『ブエノスアイレス』 の次に好きだ。 お家芸の前衛的な演出は封印されて、ただ淡々と、 同じ境遇に隣り合…

想ひ出写眞館(2)

|写眞館| |旅| [桐生篇 : 2008年3月17日] 両毛線。日だまりの車窓。 路地裏にて。 立派な鰻屋さん。お休みでした。 山の上の動物園と遊園地。 誰も居ない教会。ひっそり。 また今度。 ■上州ぶらり旅(1) https://hobbiton.hatenadiary.jp/entry/20080…

想ひ出写眞館(1)

|写眞館| |散策| [月曜阿房列車篇] 車両いろいろ。 阿字ヶ浦駅。 旧い車内の佇まい。のんびり走るのです。 那珂湊駅。 また今度。 ■月曜阿房列車 https://hobbiton.hatenadiary.jp/entry/20080811

月曜阿房列車

|小僧先生| |散策| [ひたちなか海浜鉄道湊腺阿房列車] 湊腺に乗ろうと想う。湊線は片道三十分程度の小さな路線で、気軽な阿房列車を仕立てるには丁度お誂え向きかと考えた。二歳と少しになる、弟の甥であるところの電車小僧氏の付き添い、と云うお役をこれ役…

阿房列車前夜

|雑記| 明くる月曜日。甥っ子である電車小僧氏と連れ立って、 ローカル阿房列車を仕立てることと相成った。 ひたちなか海浜鉄道、とその名を新たにした湊腺は、 JR勝田駅より出立して、終着の阿字ヶ浦駅までは片道 三十分程の、実にこじんまりした路線なのだ…

ぬるい茶を飲む

|音| 間延びした土曜日の昼下がり。 麻紐に沿わせた変化朝顔の細い蔓の先が、 寄る辺を探して、ふらと風に揺れて居る。 ここ数日の残暑から暫し離れた、爽やかな夏の風。 盆の入りを前にしてのことだろか。やけに静かな 様相の一日の中に、薄い眠気がとろり…

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