双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

オランダ坂に重たい穴があきます

|猫随想|


長時間の冷房にさらされ続けて、鈍いだるさに纏わり
つかれた体を、湯船に湯を張ったところへ落ち着ける。
ついシャワーの手軽さを選びそうになるが、やはり
一日の終いには、きちり風呂に浸かるよにしないと、
疲れが抜けぬばかりか、どうも調子が宜しくない。
風呂上り、北向きの窓を開けると、雨上がりの夜風が
すうと入って、額の汗の引いてゆくのが心地良い。
我が猫氏は、人間の年齢にして還暦を半分以上過ぎて居り、
ここ数年で、すっかり爺さん然としてきたよに想う。
暑い夏場は 「ただでさえ暑いのに、触るな寄るな!」
と云った風情で、尻尾の一振りに追いやられるか、
さもなくば横目でじとっと睨まれるか、であったのが、
爺さん猫になってからと云うもの、夏だのに擦り寄ってきたり、
膝を強請ったりすることが多くなった。良く見ると、
顔の毛の黒い部分に、白いのがちらほら混じって居る。
そう云えば、私もここ一年程で白髪が目立ち始めた。
今までにも在ったのかも知れぬが、昨年に髪をうんと
短くしたことで、ちいと表に出ることとなったのだろう。
共に住み出してから、凡そ十年余。知らず知らず
互いに歳を取ったものだなぁ。相棒よ・・・。

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