2006-01-01から1年間の記事一覧
|日々| 本日より二日まで、三日間の休業。 大晦日の今日は、母方の祖父の命日のため、 昼前に墓参りに出掛ける。親類皆で昼食を 済ませた午後、甥っ子をベビーカーに乗せて、 一人で実家近くの本屋まで散歩する。 道すがら眠ってしまった甥っ子を、できるだ…
|徒然| クリスマスを目前に控えた土曜日の、世間の忙しなく動き回る様は、それを「活気」と呼ぶには何かが足りず、むしろ、全てが何処かしら空々しく、そして誰もが闇雲に忙しいふりをしたがって居るよな、居心地悪いよな印象を漂わす。しかし、私たちのこの…
|雑記| |本| 気が付いたら暦はもう十二月に入ってしまった。そろそろ、紅葉だの何だのが終いになった山の木々に、何気無く注意を向ければ、赤茶けた葉のすっかり落ちて、寒々しくも凛とした冬の木立ちの姿が、ふわり頭に浮かんでくる。昨日より石油ストーブ…
|回想| 今朝は早くに目が覚めたこともあり、身支度に割く朝の時間に、いつもよか余裕が出来たので、とりあえず…と云う億劫も無しに着るものを選ぶ。芥子色のとっくりセーターの上に、青っぽい小花柄でフレンチ袖のプルオーバー。ヘリンボーン・ツイードのハ…
|電視| 雨の残る月曜日。 午後、ずっと前に録画しておいた 『川の流れはバイオリンの音』*1を観る。 佐々木昭一郎氏の脚本・演出による「川」三部作 一つめの作品なのだけれども、朧ろな記憶で 確か、NHKアーカイブスはこれに続くシリーズを、 未だ放送して…
|日々| |音| 雨の日曜日に、冷え冷えとした空気の 頬をすべる感触は、何故だか心休まる。 全てのものがまるで、在るべき規律、 在るべき要素でもって憩いを導くが如く、 今日と云う一日、日曜日と云う一日の形を 少しずつ積み上げてゆく。 昼頃から重たく広…
|日々| |音| 寒風に、瞬間身をこごめる朝のひととき。 ふと起こした目線の先の紅葉は、 例年ほどに色づきが良くないらしく、 何処も彼処も、赤茶けてくすんで居る。 独りのお客の、いつになく目立った午後、 嗚呼、こんな心地良い静けさが、いつも ここに在…
|旅| |回想| スコットランドで数週間を過ごした後。九月も半ばをまわった頃に、私たちはロンドンへと戻って来た。思いの他増えてしまった荷物に、長旅の間に鍛えられた腕力でもって何とか持ち堪えながら、バスを幾つか乗り継いで見慣れたドアの前まで歩いて…
|旅| |回想| 先日、探しもののついでに、古い写真のネガを整理するため、分厚くなった茶色い紙袋の中身をごそり取り出したところ、山のよなネガに混じって数枚の写真が出てきた。いつだったかの正月に従妹らと撮った写真。それと、二人のナポリ人の青年の写…
|雑記| 季節の習慣の様に首元へまわした 木綿のマフラーを、うんざり顔で外しては、 天気の見当を誤ったことに、小さな落胆を覚える。 けれども、うっすらと汗ばむよな 無粋な気温には、やはり違和感を隠せない。 どうせ日が沈めば、本来其処に在るべき季節…
|電視| |徒然| BS朝日にて、昨晩放送されて居た 『イタリアへ―須賀敦子・静かなる魂の旅』*1 をご覧になった方はいらっしゃるかしら。 私は、BSデジタルの番組を観られる環境に 居らぬため、残念ながら観ては居ないのだけれど、 原田知世の朗読は、きっと、…
|縷々| |音| 歩みをゆるめては、暫し夜空を仰ぎ見る。 放心と云うのでも、途方と云うのでも無い、 漠然と、しかしながら安堵にも似た 季節の抱擁に、今日一日の澱と煩いが、 徐々に濾過されてゆくよな、奇妙な感覚に捕われる。 何かに許しを請う程の身に覚え…
|音| 月曜日の渋谷宇田川町某所。若かりし頃に散々通い、想い出の沢山詰まったこの場所を私は恐らく七年ぶりで訪れた。思春期同盟の盟友Tちゃん、Aちゃんと連れ立って、もうかれこれ十数年来、私たちがずっと焦がれて止まなかった一人の天才魔術師と再会する…
|日々| |音| |本| 何やかやで、もうすぐ今月も終わりか…。 と、夕暮れる空など見つめて、独り言つ。 何処ぞで貰ったかは分からぬが、 背筋の辺りに、ぞくりと悪寒を感じたものだから、 熱く沸かした風呂に浸かって、身体の冷めぬ内 手当たり次第に着込むと、…
|徒然| |回想| 丁度、去年の今頃だったろか。紅葉には、未だ早かった記憶が在るのだけれど。O先生とお友達の二人で、店に立ち寄ってくれたのを思い出す。それは確か二度目で、一度目はそれよりも一年前の夏、先生独りだったよに思う。新聞のタブロイド版か何…
|縷々| 台風の近付く、本日木曜日。 うかばれない溜息、或いは、ただの溜息。 珈琲と、そのために用意された 幾ばくかの時間が、人びとのもらす 其々の溜息のための、安堵となれば良い。 其処で写しとる日常の片鱗は、 ほんの少しの時を経て、やがては 忘れ…
|縷々| 人生は ― 夜明けの列車のなかの かなしい目覚め、たよりないひかりが 窓のそとに見えて、どこもかも痛む からだに、肌を刺す空気のまっさらで とげのあるメランコリーを感じること。 だが、不意の解放を思い出すのは、 なによりもいとおしい。 ぼくの…
|日々| |音| |本| 雨だれは、次第に勢いを増し やがて、本格的な雨へと姿を変える。 けれど、肌寒い秋の雨は そんな一日を愛する人々へ 無意識に足を運ばせるよな、控えめで 不可思議な効力を作用させる。 ひっそりと。おごそかに。 うっすらと線の浮かんだ…
|縷々| |音| 青年。或いは、若者。 この言葉に私は何故か、石畳の道と、 寒い季節の出で立ちをした者の、 細長く歩く姿を思い浮かべる。 明るい聡明さを覗かせる横顔の その内側には、恐らく、 仄暗い憂鬱を隠し、少年と大人との間に 曖昧に横たわる、不均衡…
|縷々| |本| 日々の喧騒に紛れ込んで 緩やかな坂道を登る。 活字を追いながら 其処に託された意志を探すのは 幾重にも重なり合った 現実の雑多から ほんの束の間でも 逃げおおせればなどと 考えるからなのだろか。 それとも他に 別の理由があるのだろか。 霧…
|日々| 台風接近中につき、午前中から凄まじい豪雨。 にもかかわらず、我が家はお墓の除幕式。 ずぶ濡れになりつつも、無事終えることができた。 天気は生憎だったけれど、亡き祖母が ようやく、居心地のよい新居に収まった事が 何よりと思う。夕刻になって…
|縷々| 灰色の曇り空広がる日曜日。 この季節、日曜日の空は曇りが望ましい。 少しだけ重ったるい、灰色が良い。 季節は言葉無く語る。 或る景色を。或る気分を。 季節はまた、恵まれた午後にできる 心地良い歪みによって、時折、 記憶を手繰り寄せる手助け…
|旅| |回想| 久しぶりに別行動の友人より先に、宿を出る。新聞紙に包まっただけの、無愛想なくらい洒落っ気の無い、バゲットのサンドウィッチを何度目かに買ったとき、その店の若い青年は、楊枝を口の端にくわえたまま、ぶっきらぼうに云った。「今度は夕方…
|猫随想| 仕事を終え、ほっと人心地つきつつ、 テレビなど見て居ったところ、先程まで 確かに在った筈の、猫氏の気配が消えて居る。 むむ。いつから居ないのだ? 猫氏は家猫であるため、部屋から外へ 出ることは殆ど無く、時折出たとしても、 窓から階下の屋…
|蹴球| おめでとう!おめでとう!アッズーリ! と云う訳で、見事、二十四年ぶりの悲願達成。 色々な意味で見所満載の決勝戦でありました。 頂上決戦に相応しい、中盤と守備の激しい競り合い。 定規で測ったかの如き、ピルロの高精度キック。 若手・中堅選手…
|市| おおよそ二ヶ月ぶり、でしょうか。早起きした本日。 W杯はアルゼンチンの気になる勝敗は、延長戦前半も半ばに 後ろ髪引かれつつ、恒例の市へと久々出掛けて参りました。 この節、朝も七時となればすっかり明るく、自然と気も 清々するものです。さてさ…
|散策| 週に一度の休みの日。珍しく早起きした上、きちりとめかし込んで、さて。一体、何処へゆく?休みの早起きも厭わず、普段は滅多につけぬ紅など差し、乙女宜しく身支度して出掛けた、本日月曜日。高速バスに揺られ、中央線に揺られ、彼の地、西荻へと行…
|雑記| 来週、父が鳶組合の旅行で鎌倉へ行くと云う。 紫陽花には、未だちいとばかり、早いけれど。 どうせ父の事だ。独りでぶらり、好きに歩いて 廻るのだろう。珍しく静かだと思えば 『サライ』の鎌倉特集を読んで居た。 「どこか良い所、知って居るか?」 …
|本| ぼく:ニュー・ヘイヴンでブラック・パンサーの行進があるんだ。町ごと焼き尽くしてやるぜ。パパ:お前ら乞食どもはみんなまとめて、死ぬまで閉じ込めときゃいいんだ。ぼく:政治をまるごとぶっつぶすつもりさ。共産主義になって、ロシアから指令を受け…
|日々| 朝、狭い部屋の中で 掃除機をかけて居ると、何だか 同じところを、ぐるぐる廻って居るだけ のよな気がしてくる。 全ての窓を開放し、未だ 冷ややかさを幾らか残す、 朝の空気を通すと、私を暫し捕らえた、 ぼんやり取りとめの無いものは、 いつの間に…