双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

青の帳

|日々| |音|


雨の日曜日に、冷え冷えとした空気の
頬をすべる感触は、何故だか心休まる。
全てのものがまるで、在るべき規律、
在るべき要素でもって憩いを導くが如く、
今日と云う一日、日曜日と云う一日の形を
少しずつ積み上げてゆく。
昼頃から重たく広がる灰色の空が、
夕刻近くなって、不意に美しい情景を見せた。
ひどく忘れ難く、小さな感嘆を伴う色。
それは、山の方からすうっと降りてきて、
景色の輪郭をそっとぼかすよな霧と同化して、
窓の外の全てを包み込む、仄暗く透明な青。
ひょっとしたら今、私は色のついたファインダを
通した世界を、ここから眺めて居るのではないか。
と云う、馬鹿げた錯覚を起す程の、幻想的で
心を遠くへ連れ去るよな、美しい青だった。


[日曜日の一枚 ]

アット・ホーム(紙ジャケット仕様)

アット・ホーム(紙ジャケット仕様)


青い宵の青い一枚。こんな仕合せな偶然。

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