双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

父の趣味

|雑記|

来週、父が鳶組合の旅行で鎌倉へ行くと云う。
紫陽花には、未だちいとばかり、早いけれど。
どうせ父の事だ。独りでぶらり、好きに歩いて
廻るのだろう。珍しく静かだと思えば
サライ』の鎌倉特集を読んで居た。
「どこか良い所、知って居るか?」
と聞くので、喫茶店やら蜂蜜店やら教える。
父が帰った後、ふと、いつだったか二人で
浅草へ出掛けたことなど、思い出して居た。
もう、だいぶ昔のことだ。
思えば、浅草に始まる私の江戸趣味は、
多分に、父の影響だろう。
懐古趣味も、鄙びた温泉も、旅が好きなのも、
人と同じが嫌いな、天邪鬼のところも
恐らく皆、父譲りなのかも知れない。
それと、二年前の丁度今頃だったか。
父と祖父、私、Aちゃん、亡くなった祖母とで、
会津若松へ出掛けたことが在った。父と交代で、
祖父の車椅子を押しながら、その途中で
下駄を買ったり、珈琲を飲んだりして、五人で
会津の街をのんびり、散策したのだったっけ。
何故そんなことを、今日、思い出したのだろ。

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