双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

2007-06-01から1ヶ月間の記事一覧

ただそこにあるというだけでもそんなに悪くない

|音| ひと匙の雨雲をすくって 珈琲に溶かす午後。 遠くへいったのは 誰の足音だったのだろ。 バッハ:リトル・バッハ・ブックアーティスト: グールド(グレン),バッハ出版社/メーカー: ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル発売日: 2004/11/17メデ…

Ma non troppo...

|縷々| 間延びした土曜日に。 ちいさな歪みの土曜日に。 辞書に挟まった土曜日に。 何かの足りない土曜日に。 低く呟く土曜日に。 輪郭のたよりない土曜日に。 滲んだ半月の土曜日に。 夜雲のちぎれた土曜日に。 もう終わる土曜日に。 土曜日だった筈の、土…

私はリカオンが海を渡るのを見た

|縷々| |音| 海の匂い。 昨晩より続く雨の中に、漂う潮風の匂い。 こんな天気の日。海と山の距離の近い この辺りでは、時折、山の方にまで 海からの風が届くことが、珍しくない。 道すがら立ち止まり、野菜の入った籠を 別の手に持ち替えて、深く息を吸い込…

矢車菊の紫色

|日々| |音| 夏を思わせるに充分な一日に、空気が 澄んでいれば、尚のこと心地良い。 そんな折、知人より一本の電話が届き、 思いがけぬ風景を目にする事になった。 くっきりとした空。黄色い太陽の周りを、 まあるく囲むよにした虹の輪は、今までに 出遭っ…

日曜日の置いていったもの

|日々| |本| 朝から強い雨は続き、午後には雷も。 三時近くまで、誰一人訪れることなく、 ただただ、刻ばかりがのろのろと 過ぎてゆくのが、俄かに信じ難く、 まして、滅多に在ることでは無いし、 ちょっとした屈辱にも思えた。 空白を埋めるべく、掃除だの…

La passeggiata del vagabondo

|縷々| 例えば。 シチリアの音色に耳を傾けながら、 かの風に想い馳せ、グラニータの粒の 冷たいひと匙を口にするとき。 ブラジルの心優しき声に瞼を閉じ、 一杯の熱き珈琲を、ふと覗き込んで、 そっと、鼻先へ近付けるとき。 あなたがもし、そう望むのなら…

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