双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

矢車菊の紫色

|日々| |音|


夏を思わせるに充分な一日に、空気が
澄んでいれば、尚のこと心地良い。
そんな折、知人より一本の電話が届き、
思いがけぬ風景を目にする事になった。
くっきりとした空。黄色い太陽の周りを、
まあるく囲むよにした虹の輪は、今までに
出遭ったことのない、不思議な眺めで、
額に両の手をかざしたけれど、眩し過ぎて、
それでもなかなか直視できない。幼い頃、
日食を見る為に、溶接用のマスクをかむって
いつまでも眺めて居たのを、ふと遠く思い出す。
虹の輪は、それから暫くの間続いて、
次第に薄くなってから、いつの間にか消えて居た。



夜風が、昼間の熱をさらってゆく。
些かの肌寒さに、窓を閉めながら、
あの不思議に美しかった光景を、
ぼんやりと思い起こしてみる。


[日曜日の一枚]

バッハ:ゴールドベルク変奏曲(1981年デジタル録音)

バッハ:ゴールドベルク変奏曲(1981年デジタル録音)


ゴルトベルク。今日はこちらを。

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