双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

見えない敵と戦って居る

|戯言| |雑記|


連休と云うのは魔物である。
たまたま良い感じの流れになったとしよう。
そこでちょっとばかり多めに客が入り、ちょっとばかり多めに売り上げて、
おや?ひょっとすると、このままこの良い感じが続くかも…などと
僅かでも油断して浮足立とうものなら、即座に足元をすくわれて、
翌日には掌を返すが如く、途端に絶望の奈落へ突き落される。
そうかと思うと今度は傍若無人の一見客、と云う恐ろしい刺客を
息つく暇も無く次々と送り込んでは、我々を忙殺の業火に苦しめる。
彼らには我々の考えなど、いつだってやすやすとお見通しで、
我々がこうして思惑通りに一喜一憂し右往左往する様を、
遥か高みから見下ろし、滑稽滑稽とせせら笑って居るのだ。


「ホビダー、一体何が在ったって云うのよ?」
「なあスカリー、聞いてくれ。君だって本当は分かって居る筈だ。
大衆は常に奴らの徹底した管理下に置かれ、その体内へ埋め込まれた
特殊なチップによって行動も思考も、完全にコントロールされて居る。
現に僕らの元へこうして送り込まれては、自らの意思とは関係なく
同じ時間に来店し、同じものを注文し、会計で小額紙幣を求められても
一切応じず『一万円札しかない』と皆一様に同じ台詞を口にするんだよ!」


希望的観測も淡い期待も捨てろ。自分以外誰も信じるな。
そうして今日も我々は見えない敵と戦って居る。

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