|日々| |猫随想|
昨日、散髪へ行って久しぶりに前髪を短く切って貰った。
数年来ずっと眉下、もしくは眉頭が辛うじて見える程だったが、
今回は額の真ん中辺りまで、随分と思い切って短くした。
たかが前髪。されど前髪。小さいけれど、大きな変化。
びゅーんと一陣の風が体の中を通り抜けたみたいに、
貼り付いて居た曇りが一掃されて、すっきりさっぱりとなって。
何か面白いことが見付かりそうな、すこぶる良い気分だ。
帰ってから、試しにいつもよか眉を太目に描いてみたら、
見慣れた筈の顔が幾らか、ぱきっと元気になって、
これで苦手な六月も何とか乗り切れそうな気がしてきた。
一夜明けて、すっきりと軽やかな心持ちで店を開ける。
ジョウロいっぱいに水を汲み、全ての鉢植えに水遣りをする。
大小様々の緑葉が青々と茂って、瑞々しく目にまぶしい。
毎月26日はお嬢の月命日。お嬢が彼岸へ旅立った日から、
今日で丁度半年が経った。もう半年も過ぎてしまったのだ。
早いものだ。早過ぎて、気持ちがちいとも追い付かない。
居なくなってからずっと寂しい。相変わらず寂しい。
寂しいけれど、平行に笑ったり怒ったり呆れたりして、
そうやって、じたばたしながら毎日を生きて居る。
たっぷりと水滴をまとった草花らを眺めて居ると、時折。
鉢植えの陰から鼻っ先に蜘蛛の巣をひっかけたお嬢が、
何事も無かったみたいに、ふっと現れる気のすることが在る。
そう云うとき、お嬢はきっとそこに居るのだな、と思う。
居ないけれど、居るのだ。
