双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

2005-07-01から1ヶ月間の記事一覧

君の街はもうすぐなんです

|雑記| 昨日でこの「大人乙女雑記帖」も、丸と一年。 当初は正直、一年も続くとは 全く思って居りませんでした。 細々ながら、三十路の大人乙女が綴る この乱雑な雑記を、懐深い皆様が こうして読んで居て下さることが、 何よりの励みで御座います。 謹んで…

針のない時計

|日々| うちの猫村さん、もとい アーロン氏は、オムライスはおろか、 右のものも左にすら、動かせません。 毎日風の来る場所を探して、この部屋の中、 あちらこちらと移動。一日の大半を 早い話が、寝て過ごして居る訳です。 まあ、当然です。猫ですからね。…

三日月と金星

|本| 爪先と踵の 僅かな接着面で 地上より遠く隔てられ 靴底とのあわいに 無限の宙を懐く靴 ゆるゆると近づく台風の上陸を 放心しながら待つ、今日の一日。 やがて、配達人は雨にぬれながら、 その包みを携えやって来る。 そう、今日は鳩山郁子氏の新刊 『シ…

雲に架かる色褪せたサイレン塔

|縷々| 些細なことを、丁寧に扱いたい。 ものを上手に選びたい。 選んだら、大切にしたい。 無駄な無駄と、無駄ではない無駄を、 自分で見分けたい。 縺れた糸の束を解いたら、 きれいにまた、束ねよう。 長かったり、絡まったりするのは、 鋏できちんと、揃…

ペパーミント・パティの憂うつ:後篇(2)

|回想| (前回よりのつづき) さて。我らが「文芸同好会」の顧問探し。実は、既に目星はついていた。国語教師のM子先生。36歳。独身。日頃から私たちのよな、ちと毛色の変わったおかしな乙女らに興味などを持ってくれる、非常に稀有の理解者であったので、…

ペパーミント・パティの憂うつ:後編(1)

|回想| (前回よりのつづき) ニ学年へと進級した私とOちゃんは、各々のクラスに分かれた。教室が旧校舎と新校舎だっため、互いの教室への行き来はそれ程無かったものの、同じ図書委員ではあったので顔を合わせる機会も多く、相変わらずのおかしな距離感を保…

ペパーミント・パティの憂うつ:前篇

|回想| 今しがた、押入れ深くの奥まったところで、 ビデオテープの入った段ボール箱を取り出そうと、 ガサゴソやっていたところ、丁度、箱の角が 旋毛の辺りを直撃。あまりのことに涙目になりつつ、 半分ヤケになって蓋を開けた。探して居たものは すぐに見…

頬杖ついて日曜日退屈は指先へと続く

|回想| 思えば幼い時分、私はおかしな子だった。 当然、当時の私に、その自覚は無い。 本が好きで、休み時間にはいつも 図書室や、学級文庫から本を持ち出しては、 机に顎をつけて、突っ伏しながら黙々と読み耽った。 外で遊ぶことも、勿論在ったけれど、 本…

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