双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

2010-01-01から1年間の記事一覧

長屋の皆様へ

|雑記| 今年一年を振り返って、あれやこれやと総括したいのはやまやまなのですが、そうは云っても、総括できるだけの大したことも書いて居らんですし、甲斐性も無いものですから、今年の終いに、皆様へご挨拶だけ少々。 この、はてな長屋のご近所さん方には…

終いの一日

|徒然| 本日が仕事納め。時折霙を含んだ雨は 朝から続いて居て、足元が温まらない。 ひとつ山の向こうは、恐らく雪なのだろ。 重たく白くけぶった姿。寒々しい。 今年最後の店内を、そっと見渡すと、 昨日には仕事を納めたと思しき人々が、 其々の安堵の顔を…

『暮しの手帖』のアランセーター

|手仕事 |本|| 是はもしや、年内に仕上らぬのでは…と思われた件のアランセーター。 何とか仕上りました。しかし。如何せん、デカイです。*1 しかも、男っぷりが宜しいと云いますか。何しろ、ごっつい。そもそもアランセーター自体、海の男たちのものだったの…

具材

|ホビ吹| 今年も残すところ、あと三日。林屋でしらたきを買った帰り道、ホビ吹くんは去年の大晦日の出来事を思い出して居ました。 □□□ 「ホビ吹くん、トマトはさんだのがすきだったわね。 この一列、トマトよ。それと……」 *1 「のりちゃんは、ときどきおっか…

冬の山

|縷々| ふと思い立って、山へ行って来た。 ザックを背負い、頑丈な山靴を履き、 霜柱を踏み、苔むした岩を踏み、 黙々と歩けば、何かが浮かび、消え。 足どりは、進む毎軽くなってゆく。 杉の深い緑に混じって、すっかり 葉を落とし枝ばかりとなった雑木の …

性(さが)と云うもの

|徒然| 厄介事と云うのは、しばしば。誰かが憎まれ役となることで、案外あっさりと事態の収まるものである。 勿論、引き受けた者にとって、それは本意ではないし、できれば深く関わらずに済ませたい、とは思う。しかしながら、一旦首を突っ込んでしまえば、…

灰色セーター

|手仕事| 暮しの手帖 2008年 12月号 [雑誌]出版社/メーカー: 暮しの手帖社発売日: 2008/11/25メディア: 雑誌購入: 6人 クリック: 35回この商品を含むブログ (17件) を見る 二年前の『暮しの手帖』より、アランセーターに着手。 編もうと思いつつ、つい先延ば…

ところで

|暮らし| この冬、拙宅には暖房器具の類が、無い。 今時それもどうかと思うが、事実である から仕方があるまい。と云うのも、 昨年まで使って居た電気ストーヴが壊れ、 続いて、座布団大のホットマットも壊れ。 その後、代替を求めることをせぬまま、 気付け…

冬の朝

|日々| 朝、目が覚めると、こぼれる息が白い。 布団から僅かに覗いた鼻先を、つうと 鋭く刺すよな冷気に、うずうずと寝床を 出るのが躊躇われる。既に粗方の熱を失って、 うす温いだけとなった湯たんぽを足元へ、 寝床を這い出す機を探りながら、只そうして …

小さな火

|縷々| こんこんと。けれども静かに湧きあがる 冬への想いは、つうと器をこぼれ出て、 冷え澄んだ水のよに、薄い硝子板を伝う。 墨色の夜に、小さな灯火を探す。

Color of season

|日々| 「おお、寒い寒い」 会う人会う人が皆 口の端に上せるも、ようやく季節が季節 らしい佇まいを取り戻したまでのこと。 無粋に騒ぎ立てるべきものではあるまい。 「こう寒いと嫌ですねぇ」 と、尤もらしく 返しながら、その実、心中ではニヤリとする。 …

只の月曜

|日々| |音| 夜具を取り換え、洗濯機をまわし、箒をかける。 大きく開け放った窓へ、僅かに身を乗り出せば、 頬に触れる外気は、とても師走と思えず。 昨年の今頃は、確か厚手のダッフルコートなど 着て居た筈だのに。洗面台に雑巾を濯ぎながら、 それでも水…

フェアアイルヨークのセーター

|手仕事| 先週末から取り掛かって居た、丸ヨークのセーター。昨晩に仕上がる。 ヨークの編み込みに辿り着くまでは、前身頃、後ろ身頃、両袖と、ひたすらにメリヤス編みの砂漠の続く道のり。しかしながら、背筋を正すよな。差し詰め硯に墨を磨るが如き静寂の…

砂漠にて

|音| 丸ヨークのセーターを編んで居る。 編み込みのヨーク部分に辿り着くまでは、 只、ひたすら。ストイックなメリヤスの 砂漠をゆく。一針ずつ。一段ずつ。 何処までも続く、紺一色の砂漠の、 無心の静けさよ。夜は永い。 There's Never Been a Crowdアーテ…

1996

|回想| |旅| 「Bって、寂しい奴なのよね。きっと」 彼女はそう云った。その夏に知り合った友人Bは、一つ歳上で、私に意地悪だった。十のうちの七くらいは。他の人(特に女性)には殆ど無差別にやさしかったが、私には素っ気無く、話し方はいつも意図的な謎か…

Voices

|音| 届いた音の便りは、冬の手触りがした。 膝を抱えて、あったかな毛布に包って。 独り。冬の穴倉で聴くよな、安らかさ。 I See the Signアーティスト: Sam Amidon出版社/メーカー: Bedroom Community発売日: 2010/04/13メディア: CD クリック: 6回この商…

晩秋に

|日々| 昼に拵えた、揚げだし豆腐のみぞれ煮。 柄の取れた雪平の中に、出汁を温める。 おろした大根を加え、火を止めたところへ、 柚子を刻んで是をさっと放てば、すうと 細く立ちのぼる、清々しいふくよかな香り。 台所に居て、こうして鍋を覗きながら、 ゆ…

センチメンタル歳時記

|雑記| 折角の秋だと云うので、地元の渓谷へ 出掛けてみることにした。シーズンのみ 運行の臨時バスに乗り込むが、是は勿論 他所からのお客さんに向けたものだから、 地元の人間が乗ることは、先ず無いらしい。 いざ着いてみれば、平日だと云うのに、 駐車場…

暗い空

|日々| ここ数日の急激な冷え込みに、堪らず 湯たんぽを解禁したものの、朝目覚めて、 布団から出るのが、如何に困難であるか。 カーテンを開ければ、雨降りの音。 どんよりと翳った雨空の下、重たい霧が 山肌を覆って、僅かの色すら滲まない。 昨日巣鴨で買…

近況

|日々| ■散髪で少しばかり整えて貰ったところ、何やら戦時中の子供みたいな塩梅である。朝、鏡を見ながら 「セツコ・・・」 と呟いてみる。 ■カーディガンだのベストだのセーターだのと、早い時期に大物を仕上げて、すっかり良い気になったのか。ここのとこ…

先生の偉かった一週間

|小僧先生| 母君が流感から回復して、未だ間も無し である故、小僧先生の幼稚園のお迎えを 仰せつかる。先生自身も、風邪っぴきで 体調を崩され、ほぼ一週間ぶりの通園。 ハンバーグが食べたいと仰るので、道中、 馴染みの店にて昼食をご一緒した後、 まわり…

the afternoon sun

|音| 日の傾いだ午後。薄い橙の、あたたかな窓辺。 Bryter Layterアーティスト: Nick Drake出版社/メーカー: Hannibal発売日: 1992/04/27メディア: CD クリック: 2回この商品を含むブログ (5件) を見る

病み上がり三十路やまびこ系

|雑記| 鬼の霍乱も、ここへ来てほぼ終息。 秋と呼べる時期は僅かに、このまま冬へと 向かってゆきそな、寒空ばかりが続く。 咳が止んでも油断は禁物と、あたたかい支度に 身を包み、葱と生姜をたっぷりと入れた 養生仕様のスープなんぞを拵えて、是をふうと …

鬼の近況

|雑記| ■先週は何やかやと立て込んで、それが片付いたばかりのところへ、今度は何処ぞより風邪なんぞ貰ったらしく、虎造のよなダミ声に、ずるずるの鼻水。扁桃腺もいがいがする。 ■今年の春先の手術から約六ヶ月。月曜の午前中、母の心臓の一日検査入院のた…

鍋焼きうどんとアラン編み

|手仕事| |本| 日中はさほどでもなかったのに、日が落ちた途端、急に冷え込んできた。足元のうす寒さに、堪らず膝掛けを取り出して重ねる。嗚呼。こんな夜は、鍋焼きうどんが食べたいものだなぁ。 さてさて。十月に入ってから取り掛かって居た、アラン編みの…

This Silence

|音| 鉛色の空と、細い雨の一日。 寒々と満ち、やがて静寂に沈む。 毛糸を手繰りながら。

たかが靴紐 されど靴紐

|雑記| 先日のコメント欄にて、靴紐の結び方について触れたついでに、もう少々。改めてこの話題を周囲へ幾つか向けてみると云うと、靴紐の解け易いことを気に掛けて居る人は、案外多いものだ。そうかと云って、紐結びの王道であるところの、所謂 ”蝶結び” 以…

実用と有意義な暇潰し

|本| ロープワーク・ハンドブック Outdoor作者: 羽根田治出版社/メーカー: 山と溪谷社発売日: 2003/03/01メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 25回この商品を含むブログ (7件) を見る 私がロープワークを覚えたのは、もう随分と遥か遠い昔のことである。ロ…

似合う気骨

|雑記| |モノ| つい先日のことである。グレイ地に黄色い縞の 入ったボーダーTシャツを手にして、どうも 是は似合わぬ色合いじゃないかしら、と怪訝の 顔つきで居たところ、思わぬ意見を頂戴した。 「自分でそう思うだけだよ。とても似合う。」 ふむ。黄色な…

毛糸と風景

|手仕事| アラン編みのカーディガンに取り掛かって 数日が経ち、後ろ身頃をじきに編み終え ようとして居る。元来がせっかちな質故に、 いつもならば、つい気が急いて他の部分も 続けて編んでしまうところなのだけれど、 一先ず小休止。合間に小物を挟むなど…

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