双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

Color of season

|日々|

「おお、寒い寒い」 会う人会う人が皆
口の端に上せるも、ようやく季節が季節
らしい佇まいを取り戻したまでのこと。
無粋に騒ぎ立てるべきものではあるまい。
「こう寒いと嫌ですねぇ」 と、尤もらしく
返しながら、その実、心中ではニヤリとする。


冷蔵庫をひと通り覗くと、豆腐が半丁に、
使いかけの油揚げ。糸蒟蒻などを見付け、
それを醤油と味醂とで薄味に炊き、昼にする。
箸を置き、ほうじ茶をすすりながら、ふと
窓の外を見やれば、冬色した寒空が在った。

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