双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

冬の朝

|日々|


朝、目が覚めると、こぼれる息が白い。
布団から僅かに覗いた鼻先を、つうと
鋭く刺すよな冷気に、うずうずと寝床を
出るのが躊躇われる。既に粗方の熱を失って、
うす温いだけとなった湯たんぽを足元へ、
寝床を這い出す機を探りながら、只そうして
所在無く身じろぐ。椅子の上の衣服が冷たい。
蛇口を捻った最初の水も、氷のよに冷たい。
空は重たい鉛色で、きんと冴え澄み、
そして、この冬初めて。小雪をまじえた。

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