双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

冬の山

|縷々|


ふと思い立って、山へ行って来た。
ザックを背負い、頑丈な山靴を履き、
霜柱を踏み、苔むした岩を踏み、
黙々と歩けば、何かが浮かび、消え。
足どりは、進む毎軽くなってゆく。
杉の深い緑に混じって、すっかり
葉を落とし枝ばかりとなった雑木の
木立は寒々しく、しかしながら、
しんとした中に、枯れ枝の乾いた音。
渓流の清々しいせせらぎの音など
聞きながら、火を熾し、湯を沸かし。
只そうして、心静かに過ごしたのだ。

<