双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

2007-09-01から1ヶ月間の記事一覧

長袖歳時記

|日々| |音| |本| 肌寒い秋雨のそぼ降る木曜日。 起きてすぐ、朝の空気に季節の匂いをかぐ。 箪笥の中から、きつね色のコーデュロイのズボン、 長袖のシャツと、少し厚めの靴下を選んで出すと、 ほんの一瞬。秋の鼻先に手が触れた気がした。 重ね着。セータ…

過去に在る街

|雑記| 昨夜見た夢の中で、私はと或る街に滞在して居た。何某とか云う学者先生の調査に、助手として帯同して来たのだけれど、調査の詳細も知らず、鞄持ち以外にこれと云った仕事も無い。これも役得かしらと考えて、宿の辺りを散策してみるが、その街は地方都…

空箱夜間飛行

|日々| |音| 秋は何処かに隠れてしまったのだろか。 輪切りにして面取りした大根を、半分からすぱんと、 真っ二つに切ったよな月を見上げて居ると、 鈍い疲れが降りてくる。思考がが止まる。 あんまり気忙しかった昨日と比べて、緩い緩い 今日一日との間に、…

名も無き砂塵の一粒を

|縷々| |音| 晴れ間から零れ落ちる細い雨は、途切れ途切れに。 間隔を置く内に、気が付けば通り過ぎて居り。 夜になると車の往来は減って、街灯の橙の照らす 湿った路面から、うっすら、霧のよなものが、 ぼうっと浮かんで居るのが見える。 一雨ごとに秋が近…

置き土産の金曜日

|日々| |音| もはや暴力とも呼べる程の、荒くれ台風様のお通り。 建屋は断続的に揺さぶられ、雨は容赦無く殴りつける。 結局は、まんじりともせぬままに夜明けを迎え、 ほんの僅かの間ばかし、浅い眠りに身を横たえた。 嵐の過ぎ去った後には、不快指数のす…

家族の食卓

|本| グアテマラの弟作者: 片桐はいり出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2007/06メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 81回この商品を含むブログ (88件) を見る 女優としてもそうだけれど、片桐はいりと云う人は、 その文章にもまた、独特のリズムと匂いを持っ…

Time after time

|日々| |音| 木綿のカーディガンを羽織る、肌寒い日曜。 空は少しだけ遠くなり、続く季節を手繰り寄せる。 取留めの無い、ゆるりの午後の流れ。 薄く曇った空が、夕刻の蒼に覆われ始める頃。 誰も居なくなった店内で、絵空事の音の物語に 耳を傾けつつ、こっ…

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