双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

Time after time

|日々| |音|


木綿のカーディガンを羽織る、肌寒い日曜。
空は少しだけ遠くなり、続く季節を手繰り寄せる。
取留めの無い、ゆるりの午後の流れ。
薄く曇った空が、夕刻の蒼に覆われ始める頃。
誰も居なくなった店内で、絵空事の音の物語に
耳を傾けつつ、こっくりとした珈琲を一口。
何と静かで、何と穏やかな夕刻。


[日曜日 静かの一枚]

Charmed With Verdi

Charmed With Verdi

非常に面白い趣向のコンセプト・アルバムを数多出して居る、孤高のレーベル『Winter & Winter』。トーマス・マン魔の山』よりアイデアを頂戴した、このアルバムにて綴られる音の物語は、アレクサンダー・シフゲンと名付けられた架空のピアニストの、静かで繊細な心象風景。山辺サナトリウムに滞在するシフゲンと、彼の母親との間で取り交わされた絵葉書を、そのまま使ったブックレットの凝り様は、毎度のことながら、溜息が出る程美しく。

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