双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

さよならの日曜日

|市|


おおよそ二ヶ月ぶり、でしょうか。早起きした本日。
W杯はアルゼンチンの気になる勝敗は、延長戦前半も半ばに
後ろ髪引かれつつ、恒例の市へと久々出掛けて参りました。
この節、朝も七時となればすっかり明るく、自然と気も
清々するものです。さてさて『社長と専務の店』は…。
到着早々、件の店へと向いますが、どうも怪しい。
あ!定位置が空いて居る!ちぇっ。また、休まれたのかい。
心のメーターが、一気に半分まで落ち込む。投げやり気分で
店店の間をぶらついて、良く覗く店まで来ると、
昭和四十〜五十年代の『太陽』が、無造作に並べられて居り。
ここの店主の、物腰やわらかく良心的な人柄と、店主同様
良心的な価格に加えまして、この店の場所が休憩所の真ん前
と云うのも手伝い、毎度ながら、つい財布の紐が…(笑)。
世間話などしながら、物色して居る内に『社長と〜』のお隣、
紙モノ屋店主がふらと覗きに来たもので、私は尋ねてみたのです。
「お兄さんの隣に居た業者さん。ほら。栃木から来る業者さん。
最近見ないけれど、ここのところずっとお休み?」
すると紙モノ店主、残念そうに答えます。
「あ〜。『○○堂』さん!ここではちょっと毛色の変わった、
おもしろいモノ色々持って来てたのにね〜。実は、彼等が
世話になってる人の仕切る市が、地元の方でこっちと同じ、
第四日曜らしくて、そっちに行くことになったんだよね。」
聞けば、専務たちをここへ誘ったのは、元々紙モノ店主だそうで、
彼のスペエスを半分間借りしての、正式な出店では無かった
のだとか。気風の宜しい紙モノ店主は、次に専務たちに逢う
機会の在った際、どこで開催の市なのか聞いてきてくれる、と
云ってくれましたけれど。嗚呼。それにしても、あんまりだ。
『社長と〜』との別れは、突然訪れてしまいましたが、
今回は行く先々にて、値段交渉の技が冴え渡り*1(笑)、そのせいも
在ってか、大層良い買い物ができたのでありました。
とは云えやはり、半ば連載と化した、専務・社長につきましては、
隠れファン(?)の方々も、さぞかしお寂しいことでしょう。
勿論、当の私めも燃えかすの如き喪失感で、いっぱいです。
嗚呼。再び逢える日は来るのかしら…。


[本日ご縁の在ったモノたち]

  • s40〜50年代『太陽』:二冊で千円*2
  • 『The Little Oxford Dictionary』(The Clarendon Press刊):千円
  • カミュ『異邦人』(s26年刊):おまけ
  • 英語『獨り學ひ帖』(明治頃):おまけ
  • 谷内六郎幻想記』:千円
  • 1920年代舶来銀幕スタア絵葉書:六枚で千円
  • ホーロー花柄両手鍋:八百円
  • 旅館・ホテル手荷物タグ:八枚で四百円
  • 洋数字明朝スタンプ:三百円
  • カッター・マット:五十円
  • アルミ写真額:二百五十円
  • 綿麻茶色ブロックチェック布:2mで六百円
  • レース・リボン類:1m×六種で四百二十円

*1:ただ闇雲に値切るは是、無粋の極み。店主との間の駆け引きやら会話が、自然、双方にとって気持ちの良い値引きへと、繋がるのでありまする。

*2:特集記事は其々「パリ」「青春叙情詩集」

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