双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

2006-01-01から1年間の記事一覧

帰らなくてもいいのだけれど

|日々| |音| 晴れたり曇ったり。 近頃の天気の忙しさに比べたら、 今日一日の、全く暇なことよ。まぁ、 連休翌週の日曜なんて、こんなものさ。と 窓硝子をきゅっきゅと磨き、 草花の手入れなどする。 恐ろしく単調な日々の中に、ふっと 顔を覗かせる、ささや…

スプン一匙分の甘い孤独

|縷々| |音| 時折訪れる、ひやりとした五月の表層が、 そっと傍らに寄り添う、午後の或る瞬間。 雨降りの土曜日の持つ、緑色した憂鬱は 決して、深刻な類のものなんかじゃない。 ただの独り善がり。ただの気分。 朴杖ついて、もの想いに耽ったとしても、 そ…

ラジエータの孤独

|日々| 雨降りに加え、寒々とした一日は、 休日と休日の間に挟まれた、 不運な曜日の持つ、何処か捕らえどころの無い ざらりとした手触りの、余韻だけを残す。 昨日、取り替えたばかりのカーテンが、 今夜の寒さには、ひどく気の毒に思え、 虚ろな気配にふと…

誰かが階段を飛ぶようにおりてくる

|縷々| |音| 休日特有の、気だるい空気。 時計の針は、なかなか進まない。 ふと、子供の頃には 春休みだの、夏休みだのに こんな風な気だるさを、 覚えたものだろか、と思い馳せる。 違う。あの頃には、感じなかったのだ。 こんな気持ちは・・・。 朝から、ひど…

なんにもない

|縷々| |音| どうした事だろう。 何が? いや、つまらない事さ。 他愛無い問答を、ひとり 頭の隅っこで繰り返す、 取り残された、金曜日。 誰か、云ったじゃないか。 もうじき空が晴れて、 素敵な匂いを運んでくるって。 永い永い、休暇の中身なんて、 どう…

湿気た紙袋の中のライ麦パン

|日々| 先日の休日には、近くの山まで出掛けて 数年ぶりに、山へ登ってみた。 新旧合わせ、幾つか在る登山口の中から、 いちばん古く、比較的険しいのを選び、 日頃の緩い生活で、すっかり鈍り切った 己が体に鞭打ちながらの、片道約一時間。 愛煙家の哀しき…

流離う心に鍵は要らない

|戯言| |音| 「あ〜、どっかから金でもくすねてバッくれてぇなぁ〜」*1 右の耳の上に、Bicのボールペンを一本 横たに差した、化粧っ気の無い三十路女は、 余りにも澄み渡った空と、 其処に流れゆく、真白き雲を眺めて つい、本音を漏らしてしまったのです。 …

Somewhere in Between

|日々| |音| 肌寒い土曜日。けれど、土曜日は好きだ。 土曜日の持つ色、感触、響き、温度。 今ではもう、一般的な曜日軸から 遠く離れた所に、こうして辿りついて しまったけれど、それでも今もって、 子供の頃感じた土曜日の感覚からは、 どうやら、抜け切…

銭がなけりゃ日曜日は自転車に乗ってコーヒーブルース

|市| 本日、早起きの理由は何ぞや。そう。 二ヶ月お休みしてしまった、件の骨董市へと馳せ参じて参りました。 途中を、雨に見舞われはしたものの、現地に着けば薄曇り程度。 はやる気持ちを顔に出し(笑)、小走りに市へと足を踏み入れる。 が、どうも様子が…

暗闇のなかで独楽のようにくるくるとまわっていた

|縷々| 天変地異の起こるのは、兎も角として 日々の起伏は、続いて終わらぬ、 緩やかな丘のよでもあり。 石ころを蹴飛ばして、あらぬ方角へと 転がってゆくを眺めては、 静かな忘却と、つつましき再生を 幾度となく、繰り返しつつ。 はて。何処から歩いて来…

兄さんは世の中に起こることが何もかもいやなんでしょ。

|縷々| 日々の中で、思うことは多い。 他愛無き事、切実な事。 しなやかに琴線を保ちつつ 様々を、見聞きし、感じるのは なかなかに、難儀なものだ。 人の心を掌握する事の、 容易では無いと知るには やはり、難儀を伴うもの。だから 娘さんよ。誰からも良く…

ああ、なんていう家なんだろ。鼻をかむにも命がけだ

|日々| 日中こそ陽も差して、幾らかは しのぎ易いか、と思われた 本日金曜日。のんびり構えて居たらば、 午後になって、空はうっすらと 灰色雲を携えて、風も出てきた。 雪でも降るのだろか・・・。 ゆるゆると刻は進む。夜ともなれば 当然のよに、冷え込み厳し…

ひずみにまどろむ

|縷々| |音| 雨。静けさ。 一月最後の、一日。 灰色の中に、音の輪郭をたどり 腰掛けた椅子に、沈み込むと いつもより、時間の経つのが 遅れ気味になり、感覚を鈍らせる。 雨の日がもたらす調和は、 永すぎてもいけない。 一冊の本を、読み終えるまでの 暫し…

Six Pence, Pocket Full of Rye

|縷々| |音| 一日の輪郭は、定かでは無い。 灰皿に散らかった、マッチの燃えかすに、 蛇口の先にぶら下がり、いつ落ちるとも 知れない滴の一粒に、そして そっと扉を閉めた後の、ひっそりと 寂しげな余韻に、似て居る事もある。 誰かのこぼした溜息が、緩や…

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