|日々| |音|
肌寒い土曜日。けれど、土曜日は好きだ。
土曜日の持つ色、感触、響き、温度。
今ではもう、一般的な曜日軸から
遠く離れた所に、こうして辿りついて
しまったけれど、それでも今もって、
子供の頃感じた土曜日の感覚からは、
どうやら、抜け切れないで居るらしい。
ようやく桜も咲き始め、見物帰りの人々で、
午後の店内は、静かに賑わう。
山肌の所々に、淡い色した薄桃の
桜の島々の、ぼうっと浮かんで居る様は、
何とも美しいので、暫し、見惚れてしまう。
何想う、四月。
誰かの珈琲から、細い湯気が昇り、
其処ここを、満たしてゆくのを
鼻先で感じる、土曜日の昼下がり。
[本日の私的珈琲と音楽]
- アーティスト: ジョン・ウッド
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一頻りの慌しさが、過ぎ去って後。
散り散りになって、忘れかけて居た
幾ばくかの時間を、繋ぎ留める。