|戯言| |音|
「あ〜、どっかから金でもくすねてバッくれてぇなぁ〜」*1
右の耳の上に、Bicのボールペンを一本
横たに差した、化粧っ気の無い三十路女は、
余りにも澄み渡った空と、
其処に流れゆく、真白き雲を眺めて
つい、本音を漏らしてしまったのです。
押し入れの中で、すっかり埃臭くなった
馴染みのバックパックが、云うのです。
「相棒、また旅に出ようぜ。」と…。
長距離バスは辛いけれど、
見たい景色を見せてくれるよ。
君が見たかった、心の中の風景。
いつか見た、古ぼけた写真にも似た風景。
口ずさむのは、ウィリー・ネルソンでも
グラム・パーソンズでも良いけれど、
きっと乾いた空気の中に、君の口ずさむ歌と
ぴったりの景色が在る筈さ。
草臥れたシャツのポケットに、
煙草が未だ、充分残って居たなら最高。
ついでに、小銭も忘れずに。
何処かの南部人が、君の英語を
南部訛りに云い直してくれても、
それに悪気は無いんだよ。
ほら、行きたくなってこないかい?
なぁ相棒、また旅に出よう…。*2
おいおい、そんな事云われても。
そんな事云われても、困るよ。
[本日の私的珈琲と音楽]
- アーティスト: Gillian Welch
- 出版社/メーカー: Almo Sounds
- 発売日: 1996/04/09
- メディア: CD
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- グァテマラSHB
近いところで、久しぶりに
新緑の山にでも登ろかな。
頂上に着いたら、珈琲でも沸かして、
仰向けに寝転がったら、
きっと気持ち良いだろな。