双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

湿気た紙袋の中のライ麦パン

|日々|


先日の休日には、近くの山まで出掛けて
数年ぶりに、山へ登ってみた。
新旧合わせ、幾つか在る登山口の中から、
いちばん古く、比較的険しいのを選び、
日頃の緩い生活で、すっかり鈍り切った
己が体に鞭打ちながらの、片道約一時間。
愛煙家の哀しき性か、息が上がって仕方ない。*1
それでも一旦、頂上に着いてしまえば、
例え様無き清々しさに、疲れを忘れる。
やはり山登りは好きだなぁ、としみじみ。
これからの季節、天気にさえ恵まれれば、
月に一度は登ってみるのも、良いかも知れない。
山頂にて、木立を抜ける風の音やら、
山鳥の声やら聞きつつ、四方をぐるり囲んだ
穏やかな姿の山脈と、その上に続いた青空との
自然美が作り出す、絶妙の割合に見惚れて居ると、
日々の煩いなど、何と取るに足りぬ事か・・・と、
胸のつっかえ棒が、コトリ外れた気がした。



一日明けた本日。心配した筋肉痛も
意外や大した事無く、なぁんだ、案外
体力あるじゃないの、とほくそ笑む。
昨日から一転、急に寒さの戻った火曜日は、
冷たい雨も手伝ってか、客足を遠ざける。
午後になって、不意に訪れた睡魔は
思いの他深く、気が付くと
広げた新聞の上、右頬を下にして
だらり突っ伏して居た。
手探りの夜が訪れて、なお
雨はしとしとと続く。
誰が引くのだろ。
一日の終わりの幕を。

*1:途中すれ違ったオバ様の一団の、余りの元気さに、若さとは年齢に在らず、なる事をひしと痛感(笑)。「こんな所でバテてたら、未だ先は長いわよ〜!」と笑われてしまった。

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