双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

スプン一匙分の甘い孤独

|縷々| |音|


時折訪れる、ひやりとした五月の表層が、
そっと傍らに寄り添う、午後の或る瞬間。
雨降りの土曜日の持つ、緑色した憂鬱は
決して、深刻な類のものなんかじゃない。
ただの独り善がり。ただの気分。
朴杖ついて、もの想いに耽ったとしても、
それは重力とは無縁の、ただの感覚。
雨降りの土曜日が、晴れるよりも
ずっと良いのは、きっとそんな理由。
それが証拠に、ほら。
雨降りの土曜日が、夜の中に残したのは、
軽やかで美しい、孤独の尻尾さ。


[雨降りの土曜日の一枚]

Acoustic

Acoustic

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