双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

暗闇のなかで独楽のようにくるくるとまわっていた

|縷々|


天変地異の起こるのは、兎も角として
日々の起伏は、続いて終わらぬ、
緩やかな丘のよでもあり。
石ころを蹴飛ばして、あらぬ方角へと
転がってゆくを眺めては、
静かな忘却と、つつましき再生を
幾度となく、繰り返しつつ。
はて。何処から歩いて来たものか、と
たまには、思い出したりもする。
お願いだから、今は少しの煩いも、
よこさないでおくれ。
でないと私は、ストーブの中の
小さき炎ですら、混沌の中に
気付け無くなってしまう。
ただ、ひっそりと、冬の枯野の丘の上、
遠くに見付けた、無人の家の庭先に
置きっぱなしで横たわる、
荷車の車輪だのに、心を馳せよう・・・。
だから今は、このままで良い。
このままで・・・。

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