双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

Karl e la luce bianche

|日々| |音| |本|


雨だれは、次第に勢いを増し
やがて、本格的な雨へと姿を変える。
けれど、肌寒い秋の雨は
そんな一日を愛する人々へ
無意識に足を運ばせるよな、控えめで
不可思議な効力を作用させる。
ひっそりと。おごそかに。
うっすらと線の浮かんだ白い帳面の上、
自身の走らせるペンの音が、静かに篭る。
ふと気配を感じて、外に目をやると、
紺色の夜空に雨の糸は、既に無く、
きれいな三日月が、ぼうっと光って居た。

[雨降り水曜日の一枚]

Selenography

Selenography

雨の一日、静かに広がる音叉のよな調。

[ようやく出た本]

ユリイカ2006年9月臨時増刊号 総特集=稲垣足穂

ユリイカ2006年9月臨時増刊号 総特集=稲垣足穂

随分と待たされましたが、ようやく発売。
鳩山郁子女史による短編『カールと白い電灯』収録。

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