双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

三月雑感

|縷々|


ついこないだ開いたばかりの木蓮が、生成り色から茶色く萎れて散り始め、
それと入れ替わるよに、今度は枝ばかりだった桜の蕾が見る間にふっくらとし、
目に入る景色の全体が、淡く淡く薄桃色に霞がかかったみたいだ。
嗚呼。三月が、ふうっと緩んで居る。


ここのところずっと、不可抗力と云うのだろか。
何だかんだで間に挟まれたり、否応無しに関わらざるを得なかったり。
身動きの取れぬよな息苦しい日々が続いて、現状に苛々としながらも
只巻き込まれるままに、すっかりへたって疲弊し切って居たのだけれど、
どうやらそれも、じきに終いかも知れぬなぁ。
ぼんやりと春色に滲んだ空を見上げると、そんな気がした。
さらば、三月。さらば、煩い。

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