双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

冬の空

|音| |雑記|


韓国のニック・ドレイク

との異名を持つSSW「Dringe Augh (ドリンジ・オウ)」氏。
流麗なフィンガーピッキングギターとか曲調とか声とか、そんな風に呼ばれるのも納得なのだけれど、たまたま目にしたレコード店店主の紹介文に「ニック・ドレイクから悲しみ成分を取り除いた」的表現が使われて居た憶えが在って、なるほどなぁ。
この人の曲の一匙のメランコリーやゆらゆらは、深淵のそれではなくて、例えば夜の静けさに在っても、ちゃんとお日様の存在を忘れて居ないと云うのか、何かしっかりと地に足の着いた感じ(ご本人の風貌も含めて)がして、だからふうっと心がほころんで、ほっとするのだろかと思う。
それと、他のアルバムがほぼ英語で歌われて居るのに対して、こちらは全編韓国語なのも印象的で、韓国語の語感から伝わってくる温度が、私には何だかとても心地良い。*1


丁度、先週の木曜日。これを聴いて居たときだったな。
急にさあっとあたりが陰って、今年初めての雪が降り始めて、
ジャケットの写真みたいに、薄墨色へうっすら白をかけたよな空から、
重力を感じさせないフレーク状の雪が、ふわふわっと降りて来て、
気が付いたら、視界が煙るほどに、止めどなく降って居たんだ。

今日は朝から、問答無用の猛烈な北風に諦めを強いられた。
しゅんしゅん。ストーブの上で音を吐き出す薬缶から、
ティーバッグの入ったままのカップへ半分湯を注ぎ足して、
お年始に貰ったチョコレートを、ぽいっと口へ放り込む。
誰も居ないし、誰も来ない。
そうしてまた、このアルバムを聴いて居る。
巻雲の広がった、冬の空。

*1:鉄道愛好家(!)であるオウ氏が、来日時に乗った鉄道の車窓から浮かんだと云う『railway』(7曲目)なんて曲も収録されて居たりして、実に素適なのです。

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