|お嬢| の検索結果:
|お嬢| 水曜の午後に旅立ったお嬢。丸一日挟んで金曜の午前中に火葬した。 金曜の朝、皆して籠に入ったお嬢の亡骸を秋の草花で埋めてあげて、店の中やポーチの花台、裏の野原など。長く馴染んだ場所、好きだった場所などをぐるっと廻って、それからひっそりとした山の中の火葬場へ向かった。火葬前に一通りの弔いを済ませて係りの人へ亡骸を預け、くねくねと細い農道を下って店へと戻る帰り際。小さな神社の立派な大銀杏の木から、はらはらと山吹色した葉がこぼれ落ちて居た。背景に晩秋の澄んだ空。午後になって…
|お嬢| |猫随想| 本日午後一時十五分。 お嬢こと剣菱、逝く。 享年十一。 金曜日に具合が悪くなって、土曜日にお医者へ診せた後で強制的にお家っ子となり、それからほんの四日間。あっと云う間に逝ってしまったなぁ。 土曜以降はペースト食も錠剤も一切受け付けなくなって、あったかく設えたケージの中の寝床に横たわり、じいとして過ごして居た。月曜からは数時間おきに吐き気をもよおして辛そうだったため (お医者へ連れてゆくのはもう止そうと思って居たのだけれど)、火曜日に吐き気止めの注射だけ打…
|お嬢| |猫随想| ここしばらくの間、お外っ子のお嬢の具合が芳しくなかった。先週の輸液中に失禁し、それで血尿が発覚したのだった。輸液開始間も無し、マットが濡れて居るのに気付き、すわ、液漏れか?と慌てて針を確認するも、針に別条は無い。丁度お尻の辺りだったため、まさかとティッシュで拭って確かめたら赤く血が混じって居り、実にお嬢の血尿であった、と。急激な気温の変化の所為か、或いはストレスか。直接要因は分からないが、どうやら膀胱炎を起こしたのらしく、一週間程投薬が続いた。お医者だの…
|お嬢| |日々| 先月の末頃に、体調を崩してお医者へかかったお嬢。血液検査の結果、腎臓の数値が著しく悪かったため、約二日おきの皮下輸液に通って居たのだけれども、二度目の通院で尿検査を行った際、尿に蛋白や細菌が検出され、膀胱内がひどく炎症を起こして居ることが分かって抗生剤を8日分処方された。これがものの見事にビシッと当たって効いてくれたらしく、ついでのおまけで口内炎の具合も治まった風である。また三回目の輸液の後くらいからは食欲が戻って、ドライフードを積極的に食べるよになり、以…
|お嬢| お外っ子のお嬢が、恐らくはもう長くはないかも知れない。先週の金曜、あまりにも具合が悪そうなのでお医者へ連れてゆき、腎不全が相当に進んで居ることが分かった。昨年の七月に脱水でかかった際、腎臓の数値が悪いことは判明して居たから、やはりそうか、と驚きはしなかったけれど、それでもドーンと重いのが一発来た。一発来て、暫し放心して、我に返って、落ち込んで、再び我に返った。先月の半ば頃か。ケッケッと云うよな咳ともくしゃみともつかぬものが暫く続いて、食欲が落ちて調子の悪い時期が十日…
|お嬢| |猫随想| 実は現在、お外っ子であるお嬢の腎臓の具合が宜しくない。先月の末、お嬢が軽い脱水状態であることに気づき、そう云えばここのところ寝そべって居ることが多く、何だかおとなしいな。と感じることはあったものの、大方この梅雨とは思えぬ暑さの所為と、少し様子を見て居ったのだけれども、たとい軽度とは云え、脱水を起こしていると云うのは、ひょっとすると腎臓が弱って居る可能性が高い訳で、ならばやはりお医者へ連れて行って診て貰わねば、と先週の月曜午後に、急遽お医者へかかりに行った…
|お嬢| 膀胱炎も快癒したお外っ子のお嬢、先週から何だかんだと災難続きなのである。 先ず先週の土曜に右前足の上部、前腕に裂傷を拵えて帰って来た。出血こそ無かったものの、あんまりにもぱっくりと皮膚が裂けて軟組織が丸見えだったのと、本人が非常に痛がったため、予め電話で事情を説明の後、お医者 (若旦那&忍びちゃんの掛かりつけ) へ連れて行った訳だが、いやはや。野生の危機感と処置が痛いのと恐怖心とで、想像を遥かに上回る凄まじき大騒ぎ(笑)。傷口を洗浄する先生の手を引っ掻くわ、牙をむき…
|お嬢| お嬢の失踪から進展無きまま丸十日が過ぎ、十一日目を迎えた、日曜日の朝のことであった。午前九時ニ十分、店開けの準備をして居るところへ、一本の電話が。お嬢がいつもお世話になって居るOさん宅からで、お嬢は戻って居るか?との電話であった。 私「全然手がかりも無くて、まだ戻ってきて居ないんです」 Oさん「あれ?そうなの?だって今ウチに来てるよ」え?何、何ですとー!!取るものも取りあえずキャリアーを引っ掴み、少し先のOさん宅まで走って向かうと、小父さんがこっちこっちと手を振って…
|お嬢| |猫随想| お外っ子お嬢の失踪から、何ら手掛かりの得られぬままに一週間が経過した。この間、日々の捜索は勿論、聞き込みや声掛けをし、近隣の店舗にチラシを貼って貰い、役所に届け出るなど、出来る限りの手を尽くして情報を待って居る。失踪前後の防犯カメラを確認したところ、お嬢の姿を最後に確認できたのは、水曜の夜10時40分頃。寝箱へ向かったと思しき姿で、その後、翌日九時過ぎに私が出勤するまでの間、(新聞配達のカブ以外に) お嬢の姿も不審なものも映っては居なかった。*1 しかし…
|お嬢| もう丸三日も、お外っ子お嬢の行方が知れない。 水曜の晩、店を閉める頃には寝箱の上に居て、 おやつをあげておやすみを云い、店を閉めた。 翌朝、九時過ぎに出勤してきた頃には姿が無かったが、 いつものことなので、そのまま支度をして店を開け、 やがて昼になり、午後二時になり、全く姿を見せぬまま夕刻になり、 むむむ。さすがにこれはおかしいぞ、と一気に不安となる。何年も前のことになるけれど、今までに二度だけ、 一日半ほど帰って来なかったことが在り、しかしながら、 お嬢は非常にル…
|お嬢| |雑記| 早朝。 ゴミ出しへ出たところで丁度、お嬢と出くわすも、明らかに様子がおかしい。 足取り些かぎこちなく、頭から胴体へ木の枝やら落ち葉やら引っ被った格好で、 一体何がどうなって居るのやら??パッと見た限りではさっぱり訳が分らず、 ところが、すり寄って来たお嬢を抱き上げて、それが何たるかをすぐさま理解した。所謂「トリモチ」である。*1トリモチはお嬢の右半身の頬下から脇腹へかけて、べったりと貼り付いて居り、 ここまでの道中に、木の枝やら落ち葉やらをも盛大に道連れと…
|お嬢| 娘(ツヤツヤプリン娘 →ツヤプリン娘 →娘)こと剣菱を 赤ひげ先生のお医者へ、ワクチン接種に連れて行った。 ようやっと。ようやっと。 子猫の娘と出会ったのが2014年冬。それから数か月、 すったもんだの捕獲劇を経て、無事不妊手術を済ませ、 数日間の養生の後リリースし、2015年一月末にTNR完了。 そこから触れられるまでに一年半を要し、現在に至る。 もっと早くにお医者へいくことも出来たろうけれど、 根気強く築いた信頼関係が無に帰すことだけは、何としても 避けたかった…
|お嬢| |猫随想| 雪の日。 枯草の原っぱの中に、剣菱の黒い小さな頭。 「おーい。寒いから戻っておいで」 呼びに行ったら、ウサギみたいに跳ねながら駆けてきた。 頭の上へ雪粒を乗っけて、ふわふわに毛皮を膨らまして。 まん丸のころころの、お饅頭みたいな、冬の子。
|お嬢| 一寸だけ寒さの和らいだ昼下がり。 短い散歩から戻った剣菱嬢と、一緒にぽかぽか。 風のあたらぬ軒下の、ぬくもった陽だまりで、 こうして足元へすっかり体を預けて、 スニーカーを枕に、ころりん。 ちっこく、まんまるく、まどろむ。
|お嬢| 条件付きお触り解禁から、数ヶ月が経過した現在。 かつての”ツンデレ”の見る影も無く、今やすっかり ”ゴロスリ”猫へと変貌した剣菱嬢なのである。 我々が庭仕事をして居ると、足元へ寄って来ては、 べたりくっ付いて邪魔したり、ごろり寝転んだり。 或るときは、差し詰め自分も一緒になって 手伝って居るつもりなのか。神妙な面持ちして、 摘み取った花がらを小さな手で、ちょいちょいと つついてみるなどの、かあいらしさを見せる一方で、 自己主張が強いと云うのか、人使いが荒いと云うのか…
…けて欲しいものだ。 |お嬢| 晴れてお触り解禁となった(?)剣菱嬢であるが*1、 どうやら、お触りは”条件付き”らしいことが判明。 風の通る日陰に寝そべって居たので、そおっと撫でたら、 素早い猫パンチ(肉球)で、パシっと叱られてしまった。 ふむ。つまり、こう云うことか。 「アタシからスリスリするときに触るのは、まあ許す。 でも、アンタから勝手に触ろうとするのは、駄目!」 いやはや、つくづくツンデレちゃん..... 失礼。もとい、立派な姐御であるよ。 ともあれ、条件付きであろう…
|お嬢| 仕事の一段落した昼下がり。 昼食にカレーを食べて、ふうっと人心地つき、 裏手に干した雑巾を取り込みに行ったら、 丁度日陰で涼しいところに、剣菱嬢が寝そべって居た。 縁石に腰掛けて「おい」と話しかけると、 むっくり起き上がって、大きく伸びをした後、 ゆっくりこちらへやって来たかと思ったら、 腰掛けた私の向う脛へ、ぐいぐいっと。 小さな頭を押し付けて、胴体、尻尾と続き くるり、向きを変えて、再びぐいぐいっと。 それがあんまりにも自然なものだから、 こちらも自然な、平らな…
|日々| |お嬢| 午後に少し暇が出来たので、以前より延ばし延ばしであった、 自宅の洗面所へ小さな棚を一段取り付ける計画を遂行。 材料は小屋の化粧に使った杉板の端材と、L字棚受け。 丸鋸を使うまでも無いので、手鋸で寸法にカットしたのを、 洗面台の上にビス留めするだけ。至極簡単なものだが、 何せ今までは、窓枠の僅かな幅へ歯ブラシやコップを 無理矢理並べて居たので、是で随分と勝手が宜しくなろう。 明日に届く予定の、新しい歯磨き粉が此処へ加わる画を ふと思い浮かべて、独り、満足する…
|お嬢| 連休の狂騒から世の中が正気に戻った所為か。 珍しく静かな、のんびりとした、土曜の午後。 軒下で爽やかな風に当たりながら、鉢植えなど いじって居たら、剣菱嬢が散歩からご帰還。 暫くの間、少し離れた陽だまりにゴロリ。 寝そべったまま、花がら摘みを眺めて居たので、 チッチッと呼びかけると、一度大きくぐーっと のびをした後、ゆっくり傍まで歩いて来た。 と、私の右脛に、黒い尻尾が、するり。 「え!?」 すると、今度はしゃがんだ背中に、小さな頭が、ちょこん。 嗚呼、確かに。確か…
|お嬢| 四月の風が心地良く入って来る、午後の小屋。 ひょっこり顔を見せた剣菱嬢は、おやつを食べて寛ぐ。 風がやわらかで気持ち良いね。 耳を澄ますと、小さくゴロゴロが聞こえた。 これだけ近寄れるよになったけれど、お触りは未だに厳禁なのダ...。
|お嬢| 二日前のこと。剣菱が丸一日半、姿を消した。すっかり軒下住まいとなってからは、律儀なスケジュールに則り、一日も欠かさず姿を見せて居たし、行動範囲もここから見渡せる程度で、遠出などしない筈。まして、不妊手術を施した身であるので、さかり云々のしがらみとも無縁である。生来の用心深さからして、他所のお宅で世話になって居る、なんてのも先ず在り得ない。嗚呼、剣菱の身の上に何か、良からぬことでも起こっただろか...。 暇を見て、Aちゃんと二人して付近をぐるぐると捜索するも、何処にも…
…んで、置いておく。 |お嬢| 昨日のこと。冷たい雨降りの水曜日。 出勤すると、剣菱嬢は未だ寝箱の中でお休み中だった。 雨の一日中止みそうもないのを、本能で知って居るのだな。 昼近くになって再び覗いてみると、未だ熟睡の様子で、 午後になっても全く起きる気配が無く、ぴくりとも動かない。 雨がやがて雪へと変わった、午後三時半頃。 ようやっと寝箱から這い出した剣菱は、大きなあくびを一つと、 大きな伸びを一つ。御飯をよそって持って行ったら、 半分寝ぼけ眼のまま、しかしながら威勢良く平ら…
|お嬢| 野ネズミを獲ったり。 陽だまりの茂みで昼寝したり。 そんなお前の日常を、近くで見守ることができるのは、嬉しいよ。
|お嬢| 昼頃、郵便屋さんから郵便物を受取ると、 赤ひげ先生の所からの葉書が交じって居た。 ワクチン接種の時期を知らせるものだった*1。 あ、そうか。 剣菱の不妊手術から、もう一年が経つのか。 丁度、去年の今頃だったんだ。 あのすったもんだから、あっと云う間の一年。 ついこないだのよな気がするのにな。 早いものだ。 剣菱嬢は、野良だてらに毛艶宜しく、 小柄ながらも、しっかりとした体躯となり、 前足なんぞ、拙宅の坊ちゃんらよか逞しい。 そして今や、すっかり軒下住まいとなった。 …
|お嬢| いつも昼前には現れる筈の剣菱嬢だが、 今日は少し遅れて、午後を過ぎてのご出勤。 軒下で毛繕いなどして居るのが見えたので、 皿に御飯をよそって持って行くと、丁度、 私の通る動線に何やら、茶色っぽい毛玉の 塊のよなものを見付けた。はて、何かしら。 しゃがみ込んで確かめると、実にそれは 小さな小さな野ネズミの死骸なのであった。 たった今、其処の野原で仕留めたのを 持って来たばかりと云った風で、特に目立った 傷も無く、生前の姿のままに息絶えて居るが、 当の剣菱嬢は、是をアピ…
|猫随想| |お嬢| 季節の巡るのは早いもので、剣菱嬢とも、かれこれ約一年の付き合いとなる。 捕獲云々の辛い時期を共に(?)乗り越え、気付いてみれば、あっと云う間の一年余。その間に、我々の距離は如何程となったのだろか。相変わらず触れぬし、近付けば一旦身構えるが、是は野良としての礼儀であるから、こちらも礼儀として尊重すべき事柄である。そんな彼女も近頃では、こちらの顔を見ると鳴くことを覚え、名の呼びかけにも反応するよになったし、又「小屋=おやつの場」と認識したのか、小屋の扉が開い…
|日々| |お嬢| 開店前の店に行くと、小さな先客が居た。 「あれ、剣菱!」「ニャー」 雨の中やって来たから、軒下には点々と足跡。 しかし、こんな時間に来るのは滅多に無い。 天気の所為なのか。それとも何か、 身辺に変わったことでも在ったのか。 催促されて御飯を出してやると、小さななりで 相変わらず威勢良く平らげ、その後は再び 定位置の木箱に寝そべって過ごして居た。 こんな天気の日曜だから、店ものんびり。 ふと気付けば、もう午後四時である。 あれれ?そう云えば、お前ったら、 結…
|お嬢| 今にも雨が降りそうだのに、降って来ない。 何だか騙されたよな天気の日曜日は、静か。 こんな天気じゃ、どのみち外壁の塗装は出来ぬし、 小屋仕事で出た杉板とコンパネの端材を使って、 剣菱のための休み箱なんぞ、拵えてやろうかしら。 小屋から適当な端材をひょいっと見繕い、 カットした杉板をビス留めして、四角い枠を組み、 同じくカットしたコンパネを、底面にビスで留める。 午後の合間に、ちゃちゃっと十五分。 30cm×40cmの四角い休み箱が出来上がり。 杉の木目がきれいで、大…
|猫随想| |お嬢| 連日のよに雨が降り、八月とは思えぬよな涼しい日が続く。賢い娘だから、こんな日には人の出入りの少ないことを知って居るのだろ。雨宿りを兼ねてか、剣菱は早い時刻にやって来て、軒下の目立たぬ所で昼寝などして過ごす。午後の雨上がりに、小屋の中で工具類を整理して居たら、いつの間についてきたのか。小屋の入り口から、中を覗いて居たものだから「おや、来たの?入ってみるかい?大丈夫だよ」そう声を掛けると、先ずは顔だけにゅっと差し入れて内部を見回し、念入りに彼女なりの安全確認…
|お嬢| 剣菱は相変わらず日参して居る。 至極稀に姿を見せぬ日も在り心配させもするが、 大抵夕刻近くには姿を見せ、裏口横で餌を食べると 再び軒下へ戻って来て、ちゃんと人目につかぬよに 柱と鉢植えの陰の、丁度死角となる塩梅のところへ、 小さく伸びて暫しゆるりと寛いだ後、おかわりを催促し、 腹も心も満たされると、とことこ何処かへ帰ってゆく。 相変わらず用心深く、相変わらず触れないものの、 手から餌を口にするのはすっかり馴れた風で*1、 しかしながら、野良として暮らす猫を必要以上に…