双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

剣菱の日曜日

|日々| |猫随想|


開店前の店に行くと、小さな先客が居た。
「あれ、剣菱!」「ニャー」
雨の中やって来たから、軒下には点々と足跡。
しかし、こんな時間に来るのは滅多に無い。
天気の所為なのか。それとも何か、
身辺に変わったことでも在ったのか。
催促されて御飯を出してやると、小さななりで
相変わらず威勢良く平らげ、その後は再び
定位置の木箱に寝そべって過ごして居た。
こんな天気の日曜だから、店ものんびり。
ふと気付けば、もう午後四時である。
あれれ?そう云えば、お前ったら、
結局は、今日ずっとここに居たのね。
夕飯を食べた剣菱は、一旦散歩に出掛け、
夜になって又、ひょっこり戻って来て、
木箱の中に小さく丸まり、くうくうと寝て居た。
ふむ、珍しいこともあるもんだ。
一体、何が在ったのかは知らないけれど、
お前の気の済むよにしたら良いさ。

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