|お嬢|
お外っ子のお嬢が、恐らくはもう長くはないかも知れない。先週の金曜、あまりにも具合が悪そうなのでお医者へ連れてゆき、腎不全が相当に進んで居ることが分かった。昨年の七月に脱水でかかった際、腎臓の数値が悪いことは判明して居たから、やはりそうか、と驚きはしなかったけれど、それでもドーンと重いのが一発来た。一発来て、暫し放心して、我に返って、落ち込んで、再び我に返った。
先月の半ば頃か。ケッケッと云うよな咳ともくしゃみともつかぬものが暫く続いて、食欲が落ちて調子の悪い時期が十日ほど続いたことが在った。お医者へ連れてゆこうかとも思ったが、元気が全く無い訳でもなかったし、一旦は手持ちの抗生剤やサプリなどを飲ませながら様子を見ることとして、結果的にケッケッも治まり調子が戻ったよに見えたので連れてゆくことは無かった。戻ったよに見えただけで調子は戻らずに居たのだろうし、きっとあれが前兆だったのだろな。
腎臓の数値がぶっちぎれて居るにも拘わらず、是がお外っ子の面目とばかりに(省エネモードではあれど)お嬢は休み場である台へ飛び乗り、馴染みの塀の上へ上り、気に入らないことが在れば容赦無くシャーシャー云う。普通ならもうしんどくて、静かな場所で横たわって大人しくして居るのが当たり前の筈だのに。しんどいのは間違いないのだろうけれど、お嬢を見て居ると、あたし未だ動けるしジャンプもできるし、あんまり甘く見ないでよ。そんな風に云って居るみたいなのだった。
翌土曜日には輸液の効果で食欲が出てきたものの、変わらず調子が悪そうだったため、午後に再びお医者にて輸液。しかし是にはとんだおまけがくっ付いて居り、お医者へ行く前に薬を飲ませようとしたところで派手に逃げられ、半時以上かかって隣家の裏手の物置付近で発見。炎天下の汗だくの捜索の末、やっとこさ捕まえてキャリアーへ入って貰ったのであった(笑)。散々手こずらせた当のお嬢は、看護師さんたちには「逃亡する元気が在るんだねー、えらいえらい」と褒めて貰い、皮下輸液で体も楽になってまんざらでも無い様子。まぁいいさ。それがお嬢ってもんだ。
今思えば、一昨年の十月にお嬢の謎の失踪事件が在り*1、あの十日間の飲まず食わずの過酷な状況が、ちっこいお嬢のちっこい腎臓に、大きな大きなダメージを与えた気がしてならない。あの後、すぐにお医者で健康状態を確認して貰って居たなら。己の判断の甘さを苦々しく思わずには居られないが、後悔先に立たず。そのときの判断はそのときのこと。今更幾ら悔いたところで何も変わらないのだもの、今目の前に在る、今できることに注力すれば良いさ、とそう思うことにしよう。感情ってのはつくづく厄介な代物だな。
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