双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

迷走階段誰かが登る

|日々| |音|


暦がじき、変わろうとして居る夜。
表では、突風が騒ぎ出す。
気配を感じて居るのだろか。
師走の気忙しさは、もう間も無くして
訪れることだろう。けれども
一年を振り返るには、まだ気が早い。
何を想い煩うでもないけれど、
この、云う術無き虚脱感は
拭いようにも、拭い去れず、
肝心な部分の、表層だけをなぞって
うつらうつら、輪郭をはぐらかす。
紺色のピーコート、深緑のカップ
其処に、私の探す冬の感触が
横たわって居るだろか。
青と白の、縦縞模様に縁取られた
人っ気の無い、冬の海辺の風景は
静かに、しかしながら
強烈に、記憶の尾を引く。


[本日の私的珈琲と音楽]

Tin Man Was a Dreamer

Tin Man Was a Dreamer

          
今はただ、幾時間でも
ぼんやりしていたいのさ。
なんて事が、許される筈も無く。
十一月最後の、日は暮れる。
Waiting for the Bandに、しんみり。

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