|日々| |音|
窓から見える山の木の、所々が
ほんのりと色づいてきて居る。
皆の眠りに就いて居る間、
葉脈の中の糖分が、人知れず
変化を及ぼして居る様子など、
ふと、思い浮べたりする。
午後の西日が差し込んで、店内を
やわらかな色で、包む頃
ようやく、珈琲を淹れて一息ついた。
下校時刻の小学生たちが、
通りを横切り、手に持った袋を
振りまわす姿など眺めるうち、
あっと云う間に、日はかげってゆく。
橙色した、魔法の如きまどろみは、
つかの間の幻のよに、
終わりを告げる。
[本日の店内音楽]
さすらい。漂泊。連れてゆく。