双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

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歩き続けた人

|本| 考える人 2009年 02月号 [雑誌]出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2008/12/29メディア: 雑誌購入: 2人 クリック: 27回この商品を含むブログ (21件) を見る 身の回りの雑多が一段落して、ようやく手に取る。 須賀敦子が最後に残した草稿。完成することの無かった物語。 年頃の娘の頃の、須賀さんの写真。意思の強い、快活な顔立ち。 そのふっくらした頬の輪郭には意外な程、華奢な肩や、 腕時計の巻かれた、ほっそりした手首。聡明で薄い口元。 ブラウスの襟な…

まどろみ

|本| |縷々| 明け方、夢を見た。 行ったことも見たことも無いけれど、 そこは、コルビュジェの 「小さな家」 で、 こじんまりした一人がけに、背中を預けて、 やわらかな光に滲んだ、白い窓を見て居た。 清潔で、静かで、心地良くて。 膝掛けの上に置いた手が、あたたかかった。 目が醒めて、朝の冷気に頬が触れる。 洗面所の蛇口をひねると、つうとする指先。 まどろみから、強引に引き抜かれた気がして、 何だか、口惜しいよな心持ちになった。 小さな家―1923作者: ル・コルビュジェ,森…

どこもここも、しんみりとしてきたのです。

|本| |縷々| ムーミン谷の十一月 (講談社青い鳥文庫 (21‐8))作者: トーベ=ヤンソン,Tove Jansson,鈴木徹郎出版社/メーカー: 講談社発売日: 1984/10/10メディア: 新書購入: 1人 クリック: 4回この商品を含むブログ (7件) を見るさめざめと雨が降ってきて、午後はすっかりひそりとして。 そのまま、冷たい墨色の夜になる。 生姜のクッキーと熱いお茶。ぽつんと独りの安らかさ。 自分の持ちものを、できるだけ身ぢかに、ぴったりとひきよせるのは、な…

遠くに

|本| Andrew Wyeth発売日: 1998/09/15メディア: ペーパーバックつうと冷たい空気が頬をさす季節の訪れを知ると、 記憶の糸先を手繰り寄せるよに、頁をめくる。 しんしんと。流れ込み、沁みてゆく。 この寂寥と静けさは、何処からも遠い。

羊の季節

…季節が好きだから、それを取り巻くあれこれが好きなのか。 寒い季節のあれこれが好きだから、そんな季節が好きなのか。 はて。どちらが理由なのだろ。 |本| おやすみ モーフィ 岡尾美代子の毛布ABC (クウネルの本)作者: 岡尾美代子出版社/メーカー: マガジンハウス発売日: 2008/10/23メディア: 単行本 クリック: 11回この商品を含むブログ (24件) を見る毛布。ブランケット。スロー。膝掛け。 名前も大きさも様々だけれど、どれも皆 寒い季節の、形。羊よ。有難う…。

ちくり

|縷々| |本| 蟋蟀の鳴く声。夜も涼しくなると、窓の外から。 知らぬ間に重なって居た、憂いと煩いの澱。 ぼんやりの夜の掌から、不意に差し出されて、 何処かがちくりとする。鈍く広がる。 気付いて居なかった訳ではない。 気付かぬふりをして居ただけ、か。 ぬるい茶を一口飲んで、独り言つ。 まぁ、良いさ。悪足掻きは止そう。 待つことでしか、成せぬときもある。 内田百間―イヤダカラ、イヤダの流儀 (別冊太陽)出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2008/08/01メディア: ムック …

格好良いとはこう云うことさ

|雑記| |本| 今月の NHK 『私のこだわり人物伝』 は、伊丹十三。 伊丹氏と聞いてどの職業を思い浮かべるかは、 それこそ人其々かと想うが、やはり映画監督 としてのキャリアの印象が強いだろか。 私個人で云えば、俳優としての伊丹氏は、連続ドラマ だった頃の 『北の国から』 で、純と蛍の継ぎ接ぎ だらけの靴を捨てさせた人、として子供心に複雑な 足跡を残し、やがて後の歳頃には、洒落た料理を作る 粋な映画人、としての印象が加わり、名エッセイ 『ヨーロッパ退屈日記』 を初めて手にし…

食をめぐる冒険

|本| サウンド・バイツ―フランツ・フェルディナンドの世界グルメツアー作者:アレックス カプラノス発売日: 2008/05/01メディア: 単行本 訪れたその土地で、その土地の普段の料理を、その土地の市井の人々に混じって食す。至極当たり前のことのよで、実は案外そうでも無い。「食べる」 と云う行為は、直接生に繋がる行為であると共に、その土地を知る最も身近な行為でもある。しかしながら、食や文化に対する好奇心を誰しもが持ち合わせて居る訳では無く、むしろ、未知のものに対して尻込みする…

机上時空

|日々| |本| 夏祭りの初日だのに、さめざめと雨が降り、 何だか物寂しいよな土曜日。ポットに淹れた茶を ぬるめにしたのを、少しずつ飲みながら、一日中 旅の本を読んで居た。未だ己の足の知らぬ土地は、 幾らでも在るから、こうして旅の本など読んで、 僅かに、行ったよな心持ちになって居るのは、 書斎の旅人にとっての、ささやかな至福。 中国の少数民族の女たち。目にも鮮やかな衣装と、 眼差しの力強さに、暫し、頁を操る手が止まる。 赤の鮮烈さ。大地の大きさ。 恐ろしくめまぐるしい変化と同…

緑の指と羊の毛

|本| |庭仕事| ku:nel (クウネル) 2008年 09月号 [雑誌]出版社/メーカー: マガジンハウス発売日: 2008/07/19メディア: 雑誌 クリック: 22回この商品を含むブログ (35件) を見る英米園芸界の二大頑固バアさん*1、ローズマリーとターシャの居なくなった現在。両者共に、所謂プロフェッショナルな職業的園芸家でなかったことも、充分に興味深いが、それも踏まえた上で、あの二人に匹敵する頑固さと、或る意味での意地悪さ(笑)とを備え、「園芸的に正しいこと…

ワタシと敦子とアツコの旅

|徒然| |本| はじめのきっかけは、何処かの雑誌だか新聞だか、七年ほど前に偶然見掛けた新刊紹介だった。『須賀敦子のミラノ』 。それほど詳しい紹介でも無かったし、確か小さな記事であったと記憶して居るのだけれど、何かに急きたてられるよに、その日の内に注文して居た。元々、永いことイタリアと云う国に惹かれて居たから、それで先ずは気に留めたのかも知れないが、何故だろう。私は必ずこの本を読まねばならぬよな気がした。未だ手にもして居らず、名も知らぬ作家について書かれた本だのに。そもそも、…

いただきます ごちそうさま

|暮らし| |本| 知人の H さんが、午後、山程の野菜を届けてくれた。 畑からおろぬいてきた大根葉に、ころんと丸こい蕪など。 虫食いも愛嬌と、大根の葉はばりっとみずみずしい。 早速に台所へと運び込み、下準備に取り掛かる。 水洗いした大根葉は、根元のちょこんと赤ん坊みたいな 身の部分を切り落とした後、ざくざくと包丁で刻んだら 胡麻油と鷹の爪で炒め、醤油と味醂で味をつけて。 私の好物の常備菜のひとつで、こうして沢山拵えても、 毎日毎食口にするものだから、すぐに無くなってしまう。…

嫁ぐひとへ

|本| Sちゃん 三人きょうだいの末っ子で、皆に構われてピーピー泣きながらも、 負けん気が強くて、いちばんしっかり者だったあなたが、 気が付けばもう、お嫁にゆく年頃になったのですね。 私にとっては、従妹と云うよりも七つ下の妹のよで、 かつてのあの、花柄のスカートをはいた小さな子が、今では こんなに素敵な女性になって、共に暮らす伴侶を得、 そして、一つの家庭を持つと云うことは、どんなに嬉しいことでしょう。 あなたには、あなたの背筋のよに、ぴんとしっかり通った一本の芯が在り、 し…

しみじみと しみじみと

|本| 暇にかこつけた連日の編み物で、暫く開けないで居た 今号の 『暮しの手帖』 に、ようやくゆっくりと目を通す。 巻頭は、愉しみだったマーガレット・ハウエルの記事。 飾り気無く、気取り無く。 流行に捕われず、芯が通って。 人柄そのままのよなこの人の作るシャツに、 いつの日か袖を通したいものだなぁ、と思う。 温かいスープの記事は、写真も美しく。 「睡眠手帖」 私はそもそもが寝付きの 良い質なものだから、不眠に悩んだことは殆ど記憶に 無いけれど、心地良く眠るための提案に頷きなが…

フランドルの海

|本| 存外に忙しい日中がばたばたと過ぎ去り、やがて 日も傾いてくる頃には、空が冷たく降りて来る。 伏せ止めの仕方を忘れてしまったおかげで、 編み物は途中で止まったまま、今日も籠の中。 須賀敦子全集の三巻を手に取る。 目次をめくると、最初の章は 『ユルスナールの靴』 で、 そのプロローグは、私がいつも胸に留めて居る言葉で始まる。 きっちり足に合った靴さえあれば、じぶんはどこまでも歩いていけるはずだ。 今まで幾度と無く刻んだこの言葉を、年の瀬の心に留め直す。 人生の 「靴探し」…

住む街

|本| |雑記| 盛岡の冊子 『てくり』*16号が届く。 東北のひとつの街の持つ空気、人、風景、手触り。 作り手の視線が街と同じ高さで、やわらかで。 盛岡と云う街への想いが、ちゃんとそこに在る。 栄えて居ようと居まいと、都市であろうとなかろうと、 何処の街にも、その街の持つものが必ず在る筈だけれど、 そこに住む者たちがそれに気付き、はぐくみ、 守ってゆかねば、街は恐らく、埃を被ったまま、 やがては朽ち果ててゆくのに相違無い。 不釣合いに大がかりの手術して、街の容姿をがらり 変…

掌に残ったもの

|縷々| |本| 夕刻をもうすぐに控えた午後の西日が、角の丸くなった 全集の背表紙を包み込み、やわらかに歪んだ光が 全体に差し込むと、やがて陰りに追いつかれるまでの 僅かの間。刻はゆっくり光に溶け込んで、 段々に輪郭を曖昧にしながら、そこに在るものの感覚を とろり、鈍らせる。あたたかな、薄ぼんやりした 橙色の時間の欠片をひとつ、切り取ってポッケにしまう。 夜の更けた頃に思い出して、それを取り出してみたけれど、 差し入れたポッケの中はひどく、ひんやりとして、 切り取った筈の橙色…

私たちのフランチェスコも、丘を降りて行った。

|電視| |本| BS朝日にて、須賀敦子の 『イタリアへ』 が連続シリーズ となって放送されて居ることを知り、近頃新たにテレビを 購入した弟夫婦の家に、前もってお願いしておいた。 第1話のトリエステは、残念ながら逃したのだけれど、 第2話のアッシジは、HDDに録れたとのこと。邪魔したのが 丁度夕食どきで、お好み焼きを相伴に預かりながらだった ものだから、しみじみ観て居られる訳も無かったが、 弟が甥っ子を寝かしつけに部屋を出、義妹が早めの風呂へ 入りにゆくと、番組はもう終わりの…

去る雨 残る雨

|日々| |本| 今日も今日とて雨が降り。 客席の配置替えしたのを、一夜明けてからしみじみ、 明るい中で改めて見てみると、何故だろか。 昨晩見たときよりもずっと、しっくりくる。 相変わらず雨は冷たく、降ると止むとを気まぐれに 繰り返しながら、時折お客さんを挟んで、午後は のっぺり起伏無く、とつとつと過ぎてゆく。 文庫本など並べてしつらえた、新しい独り席に座り、 とっくりの襟首伸ばして、膝掛け掛けて。 たっぷり淹れた珈琲など頂きつつ、電球の下、 本の頁めくる。少しくぐもった鍵盤…

日常の延長線上のささやかな非日常

|雑記| |本| 秋の日差し、やわらかな昼下がり。ふと、子供じみた愉しみを思い付く。 良く良く見知った、隣街に出掛けてぶらついて、日も暮れてきたら、宿をとって一泊、と云うのはどうか。地元でも、それなりにおもしろいかも知れないが、あんまり身近過ぎるし、どのみち、そこいらで知った顔に出くわして、折角の愉しみのややこしくなるのは困りもの。それでは気分が出ない上、どうにも無粋でいけない。かと云って、あんまり遠くでも意味が無いから、電車に乗って少々揺られ、そ知らぬ風情で街をぶらついて、…

季節

|日々| |本| きのこ採り名人の叔父より、山のきのこは、 ヌメリササダケとアミタケの二種類。 掃除して塩水に浸けた後、大根、豆腐、茄子とで きのこ汁をこしらえる。とろりとしたきのこ汁から 湯気が立つと、ふんわり山の良い香りが。 ふうふう云いながら、椀にふたつも頂いた。 辺りが薄暗くなって、看板の電気を付けるのに 表へ出ると、すっかり肌寒くなった外気に、一瞬 ぶるっと身震いする。道路を挟んだあちら側を、 ふと眺めやれば、Tシャツにミニスカートと云う、 夏の装いの若い女性が、携…

長袖歳時記

|日々| |音| |本| 肌寒い秋雨のそぼ降る木曜日。 起きてすぐ、朝の空気に季節の匂いをかぐ。 箪笥の中から、きつね色のコーデュロイのズボン、 長袖のシャツと、少し厚めの靴下を選んで出すと、 ほんの一瞬。秋の鼻先に手が触れた気がした。 重ね着。セーター。ハシバミ色。 革靴。鉛色の空。こっくり珈琲。 日暮れは早まり、夜が段々長くなってゆく。 [Some Pieces of Rainy Thursday]

家族の食卓

|本| グアテマラの弟作者: 片桐はいり出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2007/06メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 81回この商品を含むブログ (88件) を見る 女優としてもそうだけれど、片桐はいりと云う人は、 その文章にもまた、独特のリズムと匂いを持って居る。 感傷にべったりするを避け、俯瞰の目でもって、 しかしながら、慈愛に満ちた観察眼は、あくまで 滑稽を装いつつも、悲哀やしんみりを描き出す。 縁在ってグアテマラの人となった、年子の弟。 常に動いて居る…

紙のトランク空を飛ぶ

|本| 滞欧日記 (河出文庫)作者: 澁澤龍彦,巌谷国士出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 1999/12/01メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 9回この商品を含むブログ (7件) を見る すっかり日暮れてから、冷房を弱めて珈琲を 淹れたのを飲みつつ、澁澤龍彦『滞欧日記』など。 マッジョーレ湖はイゾラ・ベッラに想い馳せる。 そう云えば、高校時代の恩師O先生の著書*1でも イゾラ・ベッラについて書かれて居り、先生もまた、 澁澤氏の『ヨーロッパの乳房』を読んで、 こ…

凛とすると云うこと

|本| 女の子だからといって ヨワヨワしていたり メソメソしていたり 何かというと他人を頼りにして 愛しいと思われてみたり そんな子である必要はないのですよ(中略)傷つけないようにハッキリと言い 侮辱を感じさせない態度をしたら あとは 自由に生きなさい 強く生きなさい 自由で強くてやさしい子を 凛としていると言います 凛とした女の子になりなさい 凛とした‥‥ 近頃いないのです 『暮しの手帖』29号より引用 『暮しの手帖』29号を買い求めたら、 いつだったかの、少年についての言…

街と云う生き物

|徒然| |本| 未だ訪れることが叶わぬとは云え、イタリアと云う国に惹かれて久しいのだけれど、こと、ナポリと云う街は不思議と想う。 古代ギリシアの植民都市と云う古い起源に始まり、貴族的文化と庶民のそれとが同居する矛盾と混沌、聖と悪。幾多の文化の行き交った蓄積の上に、ありとあらゆる多様がごった煮となって、イタリアの都市の中でも、一際の異彩を放って居るよに見える。また「あんな街は大嫌いだ、二度と御免だ。」と云う人と「初めこそ戸惑いはしたが、訪れる度に好きになる。」と云う人の真っ二…

An armchair traveler

|雑記| |本| 欧州では、読書を通じて旅を愉しむ人を 「書斎の旅人」と呼ぶのだとか。 なかなか粋な云い回し、と思う。 となると、さしずめこの私もまた、 「書斎の旅人」の一人なのかしら。 未だに、書斎なるものへの憧れは在れど、 それらしきを構えるには至って居らぬ故、 些か、歯痒い気もしないでも無いが。 ともあれ、誰かの紀行文だの、旅に関する 諸々の書物を読んで、彼の地に想いを馳せ。 と云うのは、日常に在って非日常を得る、 最も容易な手段であるよに思う。 人から想像力を取上げて…

くらい夜をとおって

|本| 先日届いた、道造の『盛岡ノート』を読む。 勿体無いので、少しずつ。少しずつ。 茶色いボール紙に、真白いシールが 貼ってあるだけの、簡素なカバーの中から、 するりと引き出す一冊のノオトには、 薄紙がかけてある。頁をそおっとめくる。 そうか。この北国から始まる旅は、 道造にとっての『イタリア紀行』だったんだ・・・。 イタリア紀行(上) (岩波文庫 赤405-9)作者:ゲーテ発売日: 1960/04/05メディア: 文庫

ポケットの中の一篇の詩

|本| |回想| 盛岡のミニコミ誌『てくり』*1が届く。 第5号には、先頃再刊された立原道造の「盛岡ノート」にまつわる記事が。「京都カフェ案内」の著者、木村衣有子氏が道造の足跡を辿る内容だった。他の号にも、素敵な話や喫茶店、ホームスパンの工房などが取り上げられて居る。所謂、良く在るミニコミ誌のイメエジとは大分異なって、とても洗練されて居り、尚且つ手作りの良さと、郷土に対する温かい眼差しが、やわらかに感じられる。大きさや紙質、雰囲気などは、大橋歩さんの個人誌『アルネ』にちょっと…

日曜日の置いていったもの

|日々| |本| 朝から強い雨は続き、午後には雷も。 三時近くまで、誰一人訪れることなく、 ただただ、刻ばかりがのろのろと 過ぎてゆくのが、俄かに信じ難く、 まして、滅多に在ることでは無いし、 ちょっとした屈辱にも思えた。 空白を埋めるべく、掃除だの片付けだの、 やるべきことを、全てやり尽くした後で、 倦怠感だけが残る。確信めいた予感。 今日はもう、このまま終わるな・・・。 ますます酷くなる雨足を横目に、 午後四時。店を閉めることにした。 人生に、無駄なことなど一つも無い、 …

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