双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

住む街

|本| |雑記|


盛岡の冊子 『てくり』*16号が届く。
東北のひとつの街の持つ空気、人、風景、手触り。
作り手の視線が街と同じ高さで、やわらかで。
盛岡と云う街への想いが、ちゃんとそこに在る。
栄えて居ようと居まいと、都市であろうとなかろうと、
何処の街にも、その街の持つものが必ず在る筈だけれど、
そこに住む者たちがそれに気付き、はぐくみ、
守ってゆかねば、街は恐らく、埃を被ったまま、
やがては朽ち果ててゆくのに相違無い。
不釣合いに大がかりの手術して、街の容姿をがらり
変貌させるのでは無くて、ときには閉め切った窓を開け、
新たな風を入れたり、ほころびを繕ったりしながら、
私たちがそこに在る風景を慈しみ、大切に感じ、
街と共に歩んでゆけたなら…。
などと考えつつ、寂れゆく我が街を想う。

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