双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

格好良いとはこう云うことさ

|雑記| |本|

今月の NHK 『私のこだわり人物伝』 は、伊丹十三
伊丹氏と聞いてどの職業を思い浮かべるかは、
それこそ人其々かと想うが、やはり映画監督
としてのキャリアの印象が強いだろか。
私個人で云えば、俳優としての伊丹氏は、連続ドラマ
だった頃の 『北の国から』 で、純と蛍の継ぎ接ぎ
だらけの靴を捨てさせた人、として子供心に複雑な
足跡を残し、やがて後の歳頃には、洒落た料理を作る
粋な映画人、としての印象が加わり、名エッセイ
『ヨーロッパ退屈日記』 を初めて手にしたのは、
高校生になってからで、氏の洗練された美意識だとか、
斜に構えた視線も、嫌味などころか、かえってそれが
格好良いなぁ〜、と痺れるよな感銘を覚えたのであった。
時代を超えた普遍の洒落者の風情。
本物を知る者だけに許される、辛辣さ。
氏がこれを書いたのが、三十を幾らか過ぎた頃
と云うのであるから、すると大体、私と同じかそこら。
いやはや。改めて畏れ入ります…。
今の時代、こんなに粋な三十代が、果たして居るかしら。



ヨーロッパ退屈日記 (文春文庫 131-3)

ヨーロッパ退屈日記 (文春文庫 131-3)

パスタにおける正しいフォークの使い方。削り節、刻んだピーマンに、醤油を加えた御飯のお供。何れも以来、すっかり習慣となって居ります。

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