双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

ちくり

|縷々| |本|

蟋蟀の鳴く声。夜も涼しくなると、窓の外から。
知らぬ間に重なって居た、憂いと煩いの澱。
ぼんやりの夜の掌から、不意に差し出されて、
何処かがちくりとする。鈍く広がる。
気付いて居なかった訳ではない。
気付かぬふりをして居ただけ、か。
ぬるい茶を一口飲んで、独り言つ。
まぁ、良いさ。悪足掻きは止そう。
待つことでしか、成せぬときもある。


内田百間―イヤダカラ、イヤダの流儀 (別冊太陽)

内田百間―イヤダカラ、イヤダの流儀 (別冊太陽)

おっ、こんなの出てた。

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