双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

どこもここも、しんみりとしてきたのです。

|本| |縷々|


ムーミン谷の十一月 (講談社青い鳥文庫 (21‐8))

ムーミン谷の十一月 (講談社青い鳥文庫 (21‐8))

さめざめと雨が降ってきて、午後はすっかりひそりとして。
そのまま、冷たい墨色の夜になる。
生姜のクッキーと熱いお茶。ぽつんと独りの安らかさ。

自分の持ちものを、できるだけ身ぢかに、ぴったりとひきよせるのは、なんとたのしいことでしょう。自分のぬくもりや、自分の考えをまとめて、心のおく深くほりさげたあなに、たくわえるのです。その安心なあなに、たいせつなものや、とうといものや、自分自身までを、そっとしまっておくのです。


冬の佇まいは、内へ内へと向かってゆく。
膝掛けに包まって、このまま 「冬のあな」 に冬ごもりしたいよな、心持ち。

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