|本| |庭仕事|
- 出版社/メーカー: マガジンハウス
- 発売日: 2008/07/19
- メディア: 雑誌
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庭はその人を映す鏡である、と云うことを考えれば、模倣に終始するだけの庭は、その主もまた然り。必ずこうでなければいけない、などと云う理屈は決して無い筈で、ならば主の数だけ、様々のかたちの庭が在って良い筈なのだ。それを考えるとき、昨今の我が国において盛んに使われる 「ガーデニング」 と云う言葉から漂って来るのは、何処か薄っぺらで、肝心の中身を伴わぬ、上っ面ばかりと云う気がしてならない。しかもこれに 「ブーム」 なんて言葉がくっついた日には、それがやがて間も無しに終焉するものに対して使われるべき言葉、であることなど考えると、いやはや何とも遣る瀬無いのである。今は亡き二人のバアさんの庭を見るにつけ、尚更そんな風に感ぜられてならない。
そこへ来ると、園芸の本場英国の人々は、植物は決して人の想い通りにはならない、と云うことを最初から知って居る。そうして日々庭に向き合い、植物に向き合って居る。地味に気長に。辛抱強く。まして、自然を操ってやろうなどと、彼らはこれぽちも考えて居ないのだ。ガーデニングと云う言葉の上辺だけを、単になぞってお終いなのではなくて、我々も、先ずは其処から始めないといけないのではなかろか。緑の指の持ち主になるための道のりは、実に永い。形だけ真似ても、そう易々とは手に入らないものなのだ。
他には、モーフィー岡尾氏が米国に飛んでの、羊追いと毛刈り体験。刈り取った羊毛は、小さな工房で作られるサマー・ブランケットの原料となるのだとか。草原の佇む、小さな水色の小屋。あの小屋なら、私も住まってみたいなぁ。
*1:敬意と親しみの情を込めて、あえてこう呼ばせて頂こう。