|本| |縷々|
明け方、夢を見た。
行ったことも見たことも無いけれど、
そこは、コルビュジェの 「小さな家」 で、
こじんまりした一人がけに、背中を預けて、
やわらかな光に滲んだ、白い窓を見て居た。
清潔で、静かで、心地良くて。
膝掛けの上に置いた手が、あたたかかった。
目が醒めて、朝の冷気に頬が触れる。
洗面所の蛇口をひねると、つうとする指先。
まどろみから、強引に引き抜かれた気がして、
何だか、口惜しいよな心持ちになった。
- 作者: ル・コルビュジェ,森田一敏
- 出版社/メーカー: 集文社
- 発売日: 1980/01/01
- メディア: 単行本
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