双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

まどろみ

|本| |縷々|


明け方、夢を見た。
行ったことも見たことも無いけれど、
そこは、コルビュジェの 「小さな家」 で、
こじんまりした一人がけに、背中を預けて、
やわらかな光に滲んだ、白い窓を見て居た。
清潔で、静かで、心地良くて。
膝掛けの上に置いた手が、あたたかかった。
目が醒めて、朝の冷気に頬が触れる。
洗面所の蛇口をひねると、つうとする指先。
まどろみから、強引に引き抜かれた気がして、
何だか、口惜しいよな心持ちになった。



小さな家―1923

小さな家―1923

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