双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

しみじみと しみじみと

|本|


暇にかこつけた連日の編み物で、暫く開けないで居た
今号の 『暮しの手帖』 に、ようやくゆっくりと目を通す。
巻頭は、愉しみだったマーガレット・ハウエルの記事。
飾り気無く、気取り無く。
流行に捕われず、芯が通って。
人柄そのままのよなこの人の作るシャツに、
いつの日か袖を通したいものだなぁ、と思う。
温かいスープの記事は、写真も美しく。
「睡眠手帖」 私はそもそもが寝付きの
良い質なものだから、不眠に悩んだことは殆ど記憶に
無いけれど、心地良く眠るための提案に頷きながら読む。
明日着る服を、前の晩に決めて用意しておく、など。
これについて、Aちゃんは昔から習慣にして居ると云う。
なるほど。私も早速に取り入れてみようかしら。
「徒歩旅行」 の下田も良い。昔、卒業旅行で伊豆を
訪れた際に立ち寄ったのだったな。などなど。
そんなこんなで、やがてペエジが終わりに差し掛かった
頃には、もう表は夕暮れて。半分程カップに残った
珈琲がぬるくなったのを、ごくりとしながら、
雑誌広告の現状を書いた辛辣な記事に、思いを巡らせ、
雑な作り、似たよな作りのものが氾濫する中にあって、
本当にこの雑誌は、隅々まで丁寧に誠実に作られ、
じっくりと腰を据えて読むことができる、
数少ない雑誌であるなぁ、と思う。
寝しなに 「暮らしのヒント集」 で心に留まった
ひとつの言葉を思い出し、そっと目を閉じた。



「無理をしない。素直でいる。
この心がけを忘れなければ、
ひとはひととして十分に生きてゆけます。」



暮しの手帖 2008年 02月号 [雑誌]

暮しの手帖 2008年 02月号 [雑誌]

<