|日々| の検索結果:
|日々| |音| |本| 巷では連休が始まったせいだろか。 車やバイクの往来が頻繁で、店は 昼前から一時活気づくも、午後になって 俄かに山の方が、どんより厚い雲に覆われ 始めると、間も無く、雷鳴と共に大粒の雹が、 バラバラと大きな音をたてて降ってきた。 やがて雹は雨に変わり、午後は途端、 ひっそりとした静けさに包まれる。 こんな天気の日に読むのは、須賀敦子。 全集の第七巻は、日記の部分を拾い読みする。 静けさは刻が経つにつれ、やがて季節はずれの 冷ややかな空気を伴って、帳を下…
|日々| |音| 日々のささやかな積み重ねは、未だ、 大きな実を付けるには至らないが、 少しずつ、本当に少しずつゆっくりと、 けれどもそれは、確かに育って居る。 人知れず、そんな手応えを感じた日には、 幾度と無く繰り返される不毛にも、恐らく 何かしらの意味は在るのだ、と、 小さな希望を心に灯すことが出来る。 それはもしかすると、誰かの悪戯で、 明日にはまた、いつもと同じよに 気落ちすることになるかも知れないけれど。 それでも良いさ。毎日は新しい。 [土曜日の一枚] Every…
|日々| 暦の上では春に変わり、本来の意味での冬は とうとう訪れ無かったよに感じるけれど、 今日のこの日曜日が、上着の要らぬ陽気でも、 未だそれが、俄かに信じ難い気もする。 山の稜線がぼんやりして見えるのは、 果たして、春霞の仕業なのだろか。 窓辺の鉢植えに、青い水差しで 水遣りをしながら、ふと気まぐれで この冬を振り返ろうと試みたけれど、 鉛色の空や、首元からすうっと入ってくる 冷えた冬風の記憶は、どうも掘り起こせず、 何故だか妙に寂しい心持ちになる。 キッチンから、パンの…
|日々| 日々、想うことは多い。 些細なことから、途方も無きことまで。 そして、その中で出くわす様々に、 時に、仕合せな心持ちにさせられたり 或いは、落胆させられたりもする。 去年よりずっと暖めて居た考えを、 ひとつひとつ形にしてゆく作業と ここ数日間、向き合って過ごして居たのだけれど それらが少しずつ現実のものとなると、何だか 久しく感じたことの無かった、充足と云うか、 満ち足りた心地が、肩の辺りから全身へと ゆっくりゆっくり広がってゆくのを感じた。 この想いが、良い空気を…
|日々| 本日より二日まで、三日間の休業。 大晦日の今日は、母方の祖父の命日のため、 昼前に墓参りに出掛ける。親類皆で昼食を 済ませた午後、甥っ子をベビーカーに乗せて、 一人で実家近くの本屋まで散歩する。 道すがら眠ってしまった甥っ子を、できるだけ 起こさぬよにして、ゆっくり車を押しながら 年の瀬の空気を、すうっと吸い込む。 本屋で用を足してから、目と鼻の先の リサイクルショップなど冷やかして居ると、 いつの間にやら、甥っ子が目を覚まして居た。 帰り道、私は恐らく何かの鼻歌を…
|日々| |音| 雨の日曜日に、冷え冷えとした空気の 頬をすべる感触は、何故だか心休まる。 全てのものがまるで、在るべき規律、 在るべき要素でもって憩いを導くが如く、 今日と云う一日、日曜日と云う一日の形を 少しずつ積み上げてゆく。 昼頃から重たく広がる灰色の空が、 夕刻近くなって、不意に美しい情景を見せた。 ひどく忘れ難く、小さな感嘆を伴う色。 それは、山の方からすうっと降りてきて、 景色の輪郭をそっとぼかすよな霧と同化して、 窓の外の全てを包み込む、仄暗く透明な青。 ひょ…
|日々| |音| 寒風に、瞬間身をこごめる朝のひととき。 ふと起こした目線の先の紅葉は、 例年ほどに色づきが良くないらしく、 何処も彼処も、赤茶けてくすんで居る。 独りのお客の、いつになく目立った午後、 嗚呼、こんな心地良い静けさが、いつも ここに在ったなら良いのに、と とぽとぽ珈琲を淹れながら、秋から冬への変わり目に 少しだけ心馳せて、すっと息を吸い込む。 [A piece of Saturday afternoon ] Trailer Parkアーティスト: Beth O…
|日々| |音| |本| 何やかやで、もうすぐ今月も終わりか…。 と、夕暮れる空など見つめて、独り言つ。 何処ぞで貰ったかは分からぬが、 背筋の辺りに、ぞくりと悪寒を感じたものだから、 熱く沸かした風呂に浸かって、身体の冷めぬ内 手当たり次第に着込むと、心無しか落ち着く。 起伏の少ない、平坦な月末の一日の印象は 決して、満ち足りた心地では無いけれど、 大切なことは案外、本人の気付かぬところで、 ひょっこり見付かるものだ。 [土曜日の一枚と一冊] Piano Musicアーティ…
|日々| |音| |本| 雨だれは、次第に勢いを増し やがて、本格的な雨へと姿を変える。 けれど、肌寒い秋の雨は そんな一日を愛する人々へ 無意識に足を運ばせるよな、控えめで 不可思議な効力を作用させる。 ひっそりと。おごそかに。 うっすらと線の浮かんだ白い帳面の上、 自身の走らせるペンの音が、静かに篭る。 ふと気配を感じて、外に目をやると、 紺色の夜空に雨の糸は、既に無く、 きれいな三日月が、ぼうっと光って居た。 [雨降り水曜日の一枚] Selenographyアーティスト…
|日々| 台風接近中につき、午前中から凄まじい豪雨。 にもかかわらず、我が家はお墓の除幕式。 ずぶ濡れになりつつも、無事終えることができた。 天気は生憎だったけれど、亡き祖母が ようやく、居心地のよい新居に収まった事が 何よりと思う。夕刻になって、こちらは健在の 母方の祖母と叔母の二人に、敬老の日の 鉢植えを届けにゆく。雨はすっかり上がり、 空は美しい菫色へと変わって居た。 路地の家々から、夕飯の匂いが漂う。 雨上がりの道端に、キジトラの猫が一匹。 |蹴球| カンピオナート第…
|日々| 朝、狭い部屋の中で 掃除機をかけて居ると、何だか 同じところを、ぐるぐる廻って居るだけ のよな気がしてくる。 全ての窓を開放し、未だ 冷ややかさを幾らか残す、 朝の空気を通すと、私を暫し捕らえた、 ぼんやり取りとめの無いものは、 いつの間にか、消えてしまって居た。 平穏過ぎる程に、平穏な午後が とつとつと過ぎた後、夜の帳が降りて来る。 日々の中に、時折持ち込まれては 残される、負の足跡。 新たな一日が始まる頃には、また、 消えて無くなってしまうだろ。 小さき変化に気…
|日々| |音| 晴れたり曇ったり。 近頃の天気の忙しさに比べたら、 今日一日の、全く暇なことよ。まぁ、 連休翌週の日曜なんて、こんなものさ。と 窓硝子をきゅっきゅと磨き、 草花の手入れなどする。 恐ろしく単調な日々の中に、ふっと 顔を覗かせる、ささやかな喜びを、 心の何処かで待ち望む日曜日は、 結局のところ、何かの訪れることも無く、 かと云って、悪しき出来事の 起こる訳でも無く。いつかと同じよに、 のっぺりと平坦なまま、過ぎてゆく。 さてと。明日のお休みは 映画館へ行くとし…
|日々| 雨降りに加え、寒々とした一日は、 休日と休日の間に挟まれた、 不運な曜日の持つ、何処か捕らえどころの無い ざらりとした手触りの、余韻だけを残す。 昨日、取り替えたばかりのカーテンが、 今夜の寒さには、ひどく気の毒に思え、 虚ろな気配にふと、心を留めれば もう、四月の奴は、其処に居なかった。
|日々| 先日の休日には、近くの山まで出掛けて 数年ぶりに、山へ登ってみた。 新旧合わせ、幾つか在る登山口の中から、 いちばん古く、比較的険しいのを選び、 日頃の緩い生活で、すっかり鈍り切った 己が体に鞭打ちながらの、片道約一時間。 愛煙家の哀しき性か、息が上がって仕方ない。*1 それでも一旦、頂上に着いてしまえば、 例え様無き清々しさに、疲れを忘れる。 やはり山登りは好きだなぁ、としみじみ。 これからの季節、天気にさえ恵まれれば、 月に一度は登ってみるのも、良いかも知れない…
|日々| |音| 肌寒い土曜日。けれど、土曜日は好きだ。 土曜日の持つ色、感触、響き、温度。 今ではもう、一般的な曜日軸から 遠く離れた所に、こうして辿りついて しまったけれど、それでも今もって、 子供の頃感じた土曜日の感覚からは、 どうやら、抜け切れないで居るらしい。 ようやく桜も咲き始め、見物帰りの人々で、 午後の店内は、静かに賑わう。 山肌の所々に、淡い色した薄桃の 桜の島々の、ぼうっと浮かんで居る様は、 何とも美しいので、暫し、見惚れてしまう。 何想う、四月。 誰かの…
|日々| 日中こそ陽も差して、幾らかは しのぎ易いか、と思われた 本日金曜日。のんびり構えて居たらば、 午後になって、空はうっすらと 灰色雲を携えて、風も出てきた。 雪でも降るのだろか・・・。 ゆるゆると刻は進む。夜ともなれば 当然のよに、冷え込み厳しく。 用心のため、止めてある筈の 換気扇が、風に煽られて 不穏な動きをする。ふむ、 二月の奴め、 ついぞ本性を現したか・・・。 釣り下がった、感触の系譜。 気にも掛けぬ、一つの退屈。 鼻っ柱をすり抜けた。 叩く叩く。 何処も彼処…
|日々| |音| 暦がじき、変わろうとして居る夜。 表では、突風が騒ぎ出す。 気配を感じて居るのだろか。 師走の気忙しさは、もう間も無くして 訪れることだろう。けれども 一年を振り返るには、まだ気が早い。 何を想い煩うでもないけれど、 この、云う術無き虚脱感は 拭いようにも、拭い去れず、 肝心な部分の、表層だけをなぞって うつらうつら、輪郭をはぐらかす。 紺色のピーコート、深緑のカップ。 其処に、私の探す冬の感触が 横たわって居るだろか。 青と白の、縦縞模様に縁取られた 人っ…
|日々| |音| 窓から見える山の木の、所々が ほんのりと色づいてきて居る。 皆の眠りに就いて居る間、 葉脈の中の糖分が、人知れず 変化を及ぼして居る様子など、 ふと、思い浮べたりする。 午後の西日が差し込んで、店内を やわらかな色で、包む頃 ようやく、珈琲を淹れて一息ついた。 下校時刻の小学生たちが、 通りを横切り、手に持った袋を 振りまわす姿など眺めるうち、 あっと云う間に、日はかげってゆく。 橙色した、魔法の如きまどろみは、 つかの間の幻のよに、 終わりを告げる。 [本…
|日々| |音| 枯葉の舞う、からからと。夕刻 椅子に腰掛けて、ぼんやりして居ると、 室内に夕日が差し込んで、 橙の淡い色は、陰影をつくりだす。 ほんの数分の間だったけれど、 夢でも見たかしら、と気後れする。 後に残ったのは、ただの土曜日。 [本日の店内音楽] 気だるさしきりの土曜日。 今日、私は何をしたのだろ。
|日々| ゆっくり起きて窓を開けると、もう 外の空気が、秋になって居ると知る。 掃除を済ませて、鼻歌など歌いながら 押入れの中の、ひざ掛けを取り出す。 大きいのが二枚、中くらいのと 小さいのが、各一枚ずつ。 分厚い靴下を履く。カーディガンを羽織る。 と早速、猫氏がぬくぬくと居眠りを。 今日、フィルムを買って来て 購入したばかりの、PENの調子を確かめようか とも思ったのだが、結局出掛けずに居たので、 それはまた、別の機会に…。 おやつに買ってきたドーナツを、 一人珈琲など飲み…
|日々| |音| 残暑。夏の悪あがきか、否か。 もさっとした、熱を帯びた手触り。 可も無く不可も無い、平坦な一日。 その中で、見知らぬ人の 無作法な悪意に触れねばならぬ 不本意な瞬間も、在るには在ったけれど、 一日の終わりが、近づくにつれ 心を煩わす価値も無いことを知る。 そっと心を殺す。 [本日の店内音楽] Jeremy Bowen / Nothing to say
|日々| うちの猫村さん、もとい アーロン氏は、オムライスはおろか、 右のものも左にすら、動かせません。 毎日風の来る場所を探して、この部屋の中、 あちらこちらと移動。一日の大半を 早い話が、寝て過ごして居る訳です。 まあ、当然です。猫ですからね。 私はこの子の、後姿の首元に 大層、愛情を感じて止みません。 たぷっとしてね。こう、たぷっと。 そう云えば、この日記をつけ始めてから、 もうすぐ、一年が経つのかしら。 なんて早いのだろ。 さて。本日は湿気も無く、暑いながらも 非常に…
|日々| 淡々と一日が過ぎる。 長いように感じていたのに、 終わってみれば、ひどく呆気ないような 狂った遠近法のよな、一日。 ふと思い出すものは、一瞬だけ はっきりと色鮮やかで、けれども ほんの数分後には、もう 輪郭さえあやふやになってゆく。 心の中で、何かと何かが交錯し、 それは縺れた挙句に、解けることなく 忘れ去られるのを、ただ 何処かで待って居る。 はっきりしない天気を、気に病むでもなく 数時間前には、火のついていた筈の ちびた吸殻を数本、何の考えも思いつかぬまま ぼん…
|日々| 夜八時をまわった頃。お客さんの引けた後の 少しばかりの余韻を残しつつも、ひっそりとした 二階の客席に腰掛け、本を広げて 帳面に覚え書きをして居た。するとどうだろう、 今更ながら、色々なことに気付く。 天井のスピーカからきこえてくる音楽に混じって、 カチッコチッと、規則正しく リズムを刻み続ける、律義な秒針の音。 帳面の上、私自身の走らせるボールペンの音。 階下よりふんわりと漂う、珈琲豆の匂い。 古びた本の持つ、妙に安らぐ紙とインクの匂い。 それら全てが、とろりと溶け…
|日々| さてさて。本日より5月で御座います。 ようやく人々も動き出し、当店へも お客様が、足を運んで下さいました。 ライナスに頼んでおいたCDも、午前中には届いて、 久々に清々しい日曜日です。 オートバイに乗った女の子が、 恥ずかしそうにやってきました。 ツーリングの寄り道なのかしら。 冷たいお茶を頼んで、本を読んで休んでいきました。 背の小さな、華奢な体の女の子。 オートバイ少女と、そう呼びたい風情。
|日々| 体内(脳内?)の切り替えが、スムースに ニュートラルへと戻った、本日木曜日。 朝起きたら、完全に日常体勢だ。 午後からは、天気も次第に崩れてきて、 静かに雨が降り出した。 ここから眺める山並みの色合いが、今 丁度良い具合。 満開の桜、それはそれで十分美しいけれど、 葉桜になり始めの、薄桃色と若葉色との重なり合った、 あの、素敵な色合いが好きだ。 皆の生活の中に、日々の暮らしの中に、 この喫茶店で過ごす時間が、 歯を磨いたり、新聞を読んだりすることと 同じくらい、自然…
|日々| |音| 春霞がものすごくて、外は真っ白。 まるで、霧が出ているみたい。 いつものような、日曜の午後。 二階の窓辺に、Aちゃんが花を飾った。 小さな色ガラスのコップに 小さな野の花が、生けてある。 外から春のぼやけた光が射し込んで コップと花とやわらかに溶け合い、 ほんのつかの間の、ささやかな現実逃避。 そして数分後には、当たり前のように また、もとの場所へと、律義に戻ってくる。 望みというものは、願えばかなうのかしら。 もしそれが本当だとすれば、 嗚呼、ほんの少しで…
|日々| 今日の午後。一段落してお茶を飲んだ後で、 私は、店の中から窓を拭いていた。 窓を拭く作業が好きだ。 硬く絞った手拭いで、汚れを落としてから 今度は乾いた手拭いで、きゅっきゅっと 窓硝子を磨いてゆく。 磨き終えた窓硝子越しに、 ちょっと離れて、外の風景を見やる。 下校途中の中学生たちが、自転車に乗って ゆっくりと走っているのが見えた。 2台の自転車は、前と後ろに連なって、 中学生たちのマフラーは、 ほんの少しだけ、風に流されている。 ゆっくりと走る中学生たちは、 とて…
|日々| 本日の夜の営業時間は、 実に、良い具合であったのでした。 そんな皆さんの喫茶心に 穏やかな憩い在れ。 お店を閉めた後も、店内には 素敵な余韻が漂っており、 そのまま帰るのが、何だか もったいないような、そんな気がして、 自分の為に一杯の珈琲をたてる。 そんな余韻の中で、そっと静かに 一人、珈琲をいただいたのです。 今日はこの、素敵な心地良さを そっと抱いたまま、 眠りにつきましょうか。
|日々| さてさて。明日から暦が変わって もう二月となる訳で。 ひとつきの過ぎ行く事の、 何とまあ、速いことか。 この冷たい冬の空の下、 ささやかながらも、素敵な そんな何かを探しながら、 二月という月を 日々、過ごしていこう。 甘い感傷と、 他愛の無い幻想とを、 この現実の真中に。