|日々| |音| |本|
巷では連休が始まったせいだろか。
車やバイクの往来が頻繁で、店は
昼前から一時活気づくも、午後になって
俄かに山の方が、どんより厚い雲に覆われ
始めると、間も無く、雷鳴と共に大粒の雹が、
バラバラと大きな音をたてて降ってきた。
やがて雹は雨に変わり、午後は途端、
ひっそりとした静けさに包まれる。
こんな天気の日に読むのは、須賀敦子。
全集の第七巻は、日記の部分を拾い読みする。
静けさは刻が経つにつれ、やがて季節はずれの
冷ややかな空気を伴って、帳を下ろす。
『自由と孤独とは、壁一重のとなりあわせである。
孤独を生きることをおぼえたところから
自由がはじまるのかもしれない。』
記憶の糸を、不意にぐいと
引き寄せられる如く思い出す。
私もまた、このふたつについて
そんな風に考えて居るのだ、と云うことを。
[土曜日の一冊と一枚]
須賀敦子全集〈第7巻〉どんぐりのたわごと・日記 (河出文庫)
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