双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

そして君を連れ出すのさあてのない夜に

|日々|


淡々と一日が過ぎる。
長いように感じていたのに、
終わってみれば、ひどく呆気ないような
狂った遠近法のよな、一日。
ふと思い出すものは、一瞬だけ
はっきりと色鮮やかで、けれども
ほんの数分後には、もう
輪郭さえあやふやになってゆく。
心の中で、何かと何かが交錯し、
それは縺れた挙句に、解けることなく
忘れ去られるのを、ただ
何処かで待って居る。
はっきりしない天気を、気に病むでもなく
数時間前には、火のついていた筈の
ちびた吸殻を数本、何の考えも思いつかぬまま
ぼんやりと見つめて居ると、
やけに、誰かと会って
話をしたいよな、そんな心地になる。
それはきっと、ただの他愛ない
よた話でいい。
何だろう。この自分勝手な、
ほんの一時の寂しさは。

<