双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

独立のミクロコスモス

|日々|


暦の上では春に変わり、本来の意味での冬は
とうとう訪れ無かったよに感じるけれど、
今日のこの日曜日が、上着の要らぬ陽気でも、
未だそれが、俄かに信じ難い気もする。
山の稜線がぼんやりして見えるのは、
果たして、春霞の仕業なのだろか。
窓辺の鉢植えに、青い水差しで
水遣りをしながら、ふと気まぐれで
この冬を振り返ろうと試みたけれど、
鉛色の空や、首元からすうっと入ってくる
冷えた冬風の記憶は、どうも掘り起こせず、
何故だか妙に寂しい心持ちになる。
キッチンから、パンの焼ける匂いが
うっすらと漂って来て、ほぼ反射的に
珈琲が飲みたくなった。日曜日が終わるまで、
あとどのくらいかかるのだろ。

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